クライマーズハイ放映終了

otomojamjam2005-12-17

みんなどんな風に見てくれたのかな?



映画やテレビの仕事というのは、CDもそうだけど、実際に皆さんの手に作品が届くときには、すでにこちらの作業はだいぶ前に終わっていたりして、ライブなんかの場合と異なり、作る僕等の側にも、ある「距離」みたいなものが作品との間に出来てしまうんですよねえ。逆に、そのおかげで、まるで他人の作品を見るように楽しめたりもするんですが。
今回のクライマーズハイはそういった意味では、まだ手をはなれて2ヶ月半なので、多少の生々しい現場の体温みたなものが残ったまま。だから自分で批評するようなことはまだ距離がなさすぎて出来ないし、そもそもスタッフでもあるオレがこんなところにそういうことを書いてはいけないと思うので控えるけど、でも、映画とは全然違う現場で、オレ自分でいい仕事したんじゃないかと思っている。


音楽については、ほぼONJOに準じたメンバー。彼等は本当に今最高の音を出してくれる人たちで、彼等との仕事は、いつも実に刺激的だし楽しい。津上研太の一音、水谷浩章芳垣安洋の出すグルーブ、高良久美子青木タイセイの絶妙な音色とハーモニー、どれも今のわたしの音楽には欠かせない音楽の源泉。それから今回の演奏の骨格となったピアノやオルガンの江藤直子さん、ゲストでロシアからきてもらったヴォイスのサインホ・ナムチュラクさん、そしてメインのソロイスト、トランペットの五十嵐一生さんは、本当に、こちらが舌を巻くくらいの素晴しい演奏をしてくれた。こんな風にドラマの音楽を自由に作らせてもらえるのなら、この先もテレビの仕事もぜひ続けたいな。個人的には、オレが子供のころ見たような山下毅雄や、あるいは富田勲武満徹がやっていたようなテレビの音楽なんかのクオリティに負けないくらいの気概でやってるつもりなんだけどね。でも、先達の凄さ、素晴らしさには、とてもかなわない。ほんと、まだまだとても及びませんが、でも、彼等くらい実験的なこと、いや、彼等以上に実験的で狂ったことテレビや映画の現場でもしたいなあ。んじゃなきゃ、オレみたいなのが、そういった世界に出入りする理由ないもん。 そういうことさせてくれるような勇気ある現場の仕事ならこれからも大歓迎っす。


そうそう来年早々、そういったことの出来そうな映画のオファーがとんでもない監督(Aさん)からきてるんだけど、これについては書ける時期になったら書きま〜す。




ところでトランペットの五十嵐さんは9年ぶりのオリジナル・アルバム「FREE DROPS」を1月に出すんですが、実はマスタリング前のこの音源を聴かせてもらったら、これがいいのよ。びっくり。ここのとこ車の中ではずっとこのCDを聴いてるくらいいい。発売が待ち遠しいです。