アジアンミーティングフェス 秒読み

otomojamjam2005-09-21

フェスティバルオープンまでいよいよ秒読みに入りました。


楽しみしている方、少なからずいると思うのですが、非常に残念なニュースをお伝えしなくてはなりません。
北京から来る予定だったラップトップのWang Fanのヴィザがおりず、来日不可能となりました。直前まで努力したのですが・・・。隣国中国は近いようで、やはりまだまだ遠いのです。
それから台北から来る予定のDINOの消息がつかめなくなっています。実は彼とのコンタクトは香港のDicson Deeに任せていたのですが、彼が大陸のほうにツアーでいっている間、連絡をとらずにいたら、その後、コンタクトが取れなくなったというのです。これも今Dicksonに確認をしてもらっています。
ということで、せっかくのアジアン・ミーティングなのに、北京からと、台北からの2人の来日が難しくなってしまいました。もちろん、ソウルからの5名と香港から来るDicksonの来日は確実ですのでご心配なく。
Wang fanとDinoの2人を目当てにしていた方、本当にごめんなさい。もうチケットを購入してしまって、払い戻しを希望するかたはには責任を持って応じます。


こんな状況ですが、そのぶん初日の23日は、ソウルからの5名、そして日本での初コンサートとなる香港のデイクソン・ディーのソロ、そして東京では本当にひさしぶりのI.S.O.の3組にじっくりとスポットを当てていきます。

香港在住の中国人デイクソンについては少し古い文章ですがここに詳しくでいます。http://www4.point.ne.jp/~mtk/1.html   あとはここにもhttp://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj/diary/bangai-chugoku1.html
彼は中国名のリ・チンシン名義でTZADIKからもアルバムを出していて(これ名盤です)日本で自分の音楽をやるのはこれがはじめて。中国語圏でエレクトロニクスやノイズと呼べるような音楽をはじめた最初の一人で、広東語、北京語、台湾語を使う彼は、その語学力を生かして、中国各地のノイズ、エクスペリメンタルシーンの発火役をになっているキーパーソンです。彼には音楽だけではなく中国の新しいシーンについてのインタビューもぜひしたいところです。


ソウルからは昨年も来たアストロノイズ(ホンチュルキ、チェジュニョン)の2人。彼等は解体したCDプレイヤーの中身に手を突っ込みながら演奏したり、自作、あるいはレディメイドのエレクトロニクスを駆使して、ノイズと音響のような世界を行き来します。その彼等が推薦するのがリュー・ハンキルとジン・サンテの2人。どちらも彼等とともにソウルの新しいシーンをになってきたミュージシャンです。さらにもう一人、ジョー・フォスターはソウル在住のアメリカ人。トランペットとエレクトロニクスを使って、音響的とも言える独特の演奏をします。わたしのバンドのアルフレート・ハルトも含め、ソウルでは今、かなりの勢いで、風変わりな音楽が生まれつつあります。その辺の動きの一部でも紹介できればと思っています。


そしてI.S.O. 。東京では本当に久々です。山口の奇才、最近はドラびでおでブレイクしている一楽儀光とSachiko M,そしてわたしの3人で1998年に結成、これまでに世界十数カ国、数十都市で100公演以上をこなしてきた即興のユニットです。だれも言ってくれないから自分で言うけど、最近のエレクトロニクスを使った即興演奏に多大な影響をもたらしたって思ってるんですが・・・。嘘つくなって・・・、いやいやほんとほんと。今やこうしたシーンの中核をになうニュージャージーのアーストワイルレーベルがはじまる大きな切っ掛けは、このレーベルのプロデュサーのジョン・アービーがカナダで1998年に僕等を見たことだったんですから。それまでGROUND-ZEROをやっていたわたしが、いわゆる音響と呼ばれるような即興の方法を探った時期の中心舞台はまさにこのI.S.O.でした。今でも覚えているけど、GROUND-ZEROを解散した直後の1998年だったか99年、新宿のPITINNでI.S.O.をやったときのお客は16人。でも、あのとき僕等のやった演奏は、今でも当時の最高レベルの即興演奏だったと思っています。
前回の公演は今年4月のニューヨーク。すでに結成時とはまったく違う音楽を演奏しています。いわゆる音響と呼ばれてきた音楽が、固定したスタイルになるのではなく、今の問題として生き生きと変化してきていることにぜひ耳をすましてみてください。


ところでなぜ今回アジアン・ミーティングの初日にI.S.O.を持ってきたのかといえば、わたしは今でも即興でなにかをやるということへの希望を捨ててなくて、その即興の中でももっとも納得がいっているのがI.S.O.だからです。この即興のユニットを香港や韓国からくる友人たちに一番に聴いてほしかったんです。


そんなわけで初日はソウル、香港、山口、東京からの9人がそれぞれの音楽披露します。
2日目以降は、わたしのオーケストラのメンバーもくわわり、それぞれの音楽だけではなく、それがごちゃごちゃに交わっていきます。出来上がりつつあったONJOの音楽が解体していく瞬間です。この辺については、また明日書きます。

まだ何がおこるか見当もつかない3日間。ぜひぜひいらしてください。



そうそう、当日会場では、ほかでは手に入りにくい出演者達のCDの即売もあります。