レコーディング初日終了
今日は5月に新しいレーベルDoubtMusicから発売予定の
Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestraの録音。
メンバーは カヒミ・カリィ(vo),アクセル・ドナー(tp)
津上研太(as,ss),アルフレッド・ハルト(ts b-cl,tp,objects)
マツ・グスタフソン(bs),青木タイセイ(tb,笛)石川高(笙)
SachikoM(sine wave) 高良久美子(vib)
水谷浩章(b),芳垣安洋(ds,tp),大友良英(g,conduct)
で、ゲストに宇波拓(computer with objects)
アレンジ2曲水谷浩章、1曲江藤直子という豪華メンバーで
さらに、まだ発表できませんが意外なスペシャルゲストが
もうひとり入る予定。
で、スペシャルゲストの録音分以外は今日1日で全て
録音してしまいました。
自分でいうのもなんですが
これ、多分わたしのバンド作品としては
ベストの内容になるんじゃないかな。
録音していて、何度も背筋に電流がながれるような
瞬間があって、こんなことそうそうあるもんじゃ
ありません。
1日で・・・と驚かれる方もいると思いますが
これ、予算の問題ももちろんありますが
それだけではなくて、こういうバンドものの
しかも即興的な要素とアンサンブルが重要な要と
なっているものは1日の録音で充分いける
というよりは、よいコンディションで1日で
録音するのがベストだと思っています。
私の大好きな5〜60年代のJAZZがそうであったように。
ただし50年代から半世紀もたっているわけですから
当然、当時とは違って、録音したあとの工程には凝ります。
基本的には今回のオーケストラの場合は
オーバーダブとかはせずに、演奏したそのままを
生かしていきます。が、その中で出来える限りの
最上の録音作品とするための手段は選ばない・・・
というのがわたしの方針なので、聴く分には
ほとんどわからないような、しかし作品の根幹に
関わるような音の響きや、音の定位に関する作業を
こと細かにしていく予定。ここがライブ録音との
根本的な違い。曲によっては多少の編集もします。
どんな作品になるか自分でも今からとっても楽しみ。
ひとつ言えることは、今から7〜8年前にFilamentやI.S.O.
をはじめて、その後ONJQやCathode,Anodeをやり・・・
といったバラバラにやってきたわたしなりの挑戦のような
ものが、ここに来て初めて同じ土俵に乗り出した・・・
ということで、これ、やっぱり、私だけじゃなくて、
一緒にやってくれているミュージシャン達の成長が
なければ絶対に実現しなかったことだと思っている。
明日は年末に発売予定の、もうひとつの録音
エリック・ドルフィーの「Out to Lunch」全曲を
リメイクするアルバムの録音。こちらのほうで
さらにこのコンセプトを推し進める。
演奏するのは上記のメンバーに加えて
大蔵雅彦、宇波拓、中村としまる。JAZZの名を借りて
この何年かやってきたことに、落とし前をつける
のに、彼等の存在は必要。なぜなら彼等こそが
エリック・ドルフィーの40年後の姿だと思うからだ。