長崎組録音無事終了

otomojamjam2005-05-11

長崎監督「闇打つ心臓」の録音。オレとはもっとも付き合いの古い吉祥寺のGOK SOUNDで1インチの24トラックマルチテープレコーダーをまわしてアナログ録音。いまどき1インチのアナログ録音なんて誰もやってないけど・・・だいたい最近のスタジオは全てコンピュータになったのでテープレコーダーなど置いてない・・・でもオレはこの音が圧倒的に好きだ。録音はアナログ、編集はプロツールスが最近の自分の中の一番好きな贅沢な方法。
全17曲、30テイクを1日で録音。1曲1曲、ビデオから流れる映像にあわせながら一発録音。ブースにいる監督と相談しながら何テイクかとり、OKテイクをその場で決めていく。
低予算映画の録音は大抵この方法で、1日で録音、1日でミックスしてしまう。「blue」なんかもこの方法だった。といっても手を抜くわけではない。1日にこれだけの量を録音してOKテイクを出すためには、前々から準備をし、監督とコンセンサスをとり、事前の編曲アイディアを含め、スタジオでの手際よい段取りを組んでやっていかなくては不可能だ。こう見えても、オレ、単にアーティスティックな音ばかりつくってるわけじゃなくて、こと映画音楽に関しては、かなりのスキルの職人でもあるのです・・・と誰も褒めてくれないので自画自賛、あはは。

冗談はさておき、録音のほうはかなり上手く行ったんじゃないかな。メンバーはsimの植村昌弘(ds)、mostの西村雄介(b)、ジュリエッタマシーンの江藤直子(org),そしてわたしのギター。挿入曲のヴォーカルに原緑、エンディングテーマにカヒミ・カリィ、彼女はこの作品のために素晴らしい歌詞も提供してくれました。参加の皆さん、ありがとう、おつかれさま〜。
今回のサントラは全編にわたり常識では考えられないくらいのスローテンポ38BPMの曲が流れる。通常のゆっくりした曲のさらに半分のテンポ。23年前の8ミリと今のデジタルビデオが交錯するかなり特殊なつくりのこの映画にはパーフェクトなサウンドトラックになったと思う。映画自体もこれで相当スタイリッシュになるのではないだろうか。



明日はミックスダウン。マルチトラックに録音したものを2チャンネルのステレオに落としていく作業だ。