パリ 午前0時

otomojamjam2008-09-25

シンガポールの後は、PITINNで1日だけライブをやって、その後はJoy Heightsでがつ〜〜〜んと名古屋、広島とまわって、その合間に達也くんやtatsuくんと山口YCAMに行って、そこで自分の作った作品に感動し(これについては後日詳細に書きます)、でもって今日はパリ。わずか1週間の移動距離としては今年最大かも。いや5月のマルセイユ→東京→ケベック→京都のほうが上か。この間に原稿2本を仕上げ、映画音楽のデモをつくり・・・なにやってんだか。早死にしたいのかお前は。



ってことで先ほどパリに無事到着。日本も充分に秋っぽくなってますが、こっちは本当に枯葉舞う秋。夜の気温は10度を切ってます。で、パリに何をしにきたのかってえと、新しく始まったばかりのバンド大友良英トリオ(b 水谷浩章、ds 芳垣安洋)で、27日に「パリ日本文化会館」ってところで演奏するために来たのよ。パリのみなさん、よろしく〜。



ところで、オレがこうやって飛び回ってる間に、リリースがふたつ。


ひとつは「大友良英山本精一ギターデュオ」
http://news.fmn.main.jp/?eid=674680
これ、昨年から録音してるものの第一弾です。ななななんと、山本精一もわたしもはじめてジャケに自分自身の写真を使ってます。これだけでも大事件です。中身も大事件です。


でもって、もうひとつ、とうとうわたしのブログ『大友良英のJAMJAM日記』が本になりました。そろそろ書店にならんでいるころかと思います。しかも、なななななんと、TOKYO ATOMに連載していたころからの10年分の日記です。ほぼノーカットで640ページの辞典みたいな厚さ、これで2800円の大出血価格です。河出書房頑張ってくれました。感謝。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309270476/hatena-22/ref=nosim


10年と一口にいいますが、日記の最初はGROUND-ZEROの解散からはじまる・・・って書くと、その膨大な長さ、実感してもらえるかな。I.S.O.やfilamentの世界ツアー、DCPRGへの参加、山下毅雄のアルバムを作っていた頃のこと、ONJQの結成、相米監督のこと、青山監督とのblueのこと、ユーゴの戦争、オフサイトでの出来事、DCPRG脱退、始動しだしたアジア各国との交流、神戸での障害児たちとの格闘、数え切れないほどの世界珍道中・・・もう、無数のおもしろいエピソードに満ちた10年間の日記です。2004年までの7年間は完全ノーカットで。2005年のブログに移行してからは、PRや内容のかぶった部分のみをカットして、なるべくノーカットに近い形で。

オレ、自分のことは、昔からきわめてまっとうな、出不精な、面白みのない普通の人間・・・ってふうに思ってたんですが、いや今でもそう思ってますが、でも、これをまとめて読みかえしてみると、そのあまりの仕事量と濃さと、異常なほどの多動性と好奇心に、もしかしたら、こいつは普通の仮面をかぶっているけど、そのじつ中身はどこか狂っているのかもしれないって思わざるおえない感じです。う〜〜ん、本当に狂っていたらどうしよう。


6月に出た岩波の『MUSICS』と書かれた時期はほぼ重なるので、両方読んでみるのも面白いかもしれません。岩波本のほうは、それなりに練られた思考の痕跡。こっちのJAMJAとM日記のほうは練られる前の、瞬発力で書いた文章。荒っぽいぶん読みやすくもあります。まあ、その両方が相互に影響しあっているのがよくわかると思いますよ〜。


あ、で、この本、表紙と中の写真は、ななななななななんと、敬愛する森山大道さんの撮り下ろしです。今年の7月、森山さんと下北の街をうろうろしながら撮った写真が使われています。あれだけ、自分の顔写真が出るのが嫌いだったのに、ほぼ実物大の顔写真の表紙です。これ、友人たちに見せると、きまってみな噴出して笑うんですよねえ。それも半端ないくらいの噴出し方で。もう、失敬な〜! まあ、そりゃオレへんな顔してますよ。わかってますよ。でも噴出すことはないだろが、もう。なんかね、森山さんに写真とってもらったら、はじめて自分の顔写真、嫌いじゃなくなったんですよ。これでいいのかも・・・、オレこんなもんだしね・・・って感じで。そんなわけで実物大のオレの顔が目印です。さすがに、これもって読むのは恥ずかしいので、カバーつけて読んでくださ〜い。






ところでついさっき、会場がホテルのすぐ近くなんで、どんなところか様子を見に行ったんですが・・・、あさってここで演奏するもんですがって言っても、生真面目そうな女性の警備員さんにがんとして拒否されて、結局入れてもらえなかったんですよ。そりゃ、オレ等はミュージシャンっぽいかっこうはしてないかもしれないけどさあ、あやしい東洋人のおっさんにしか見えなかったかもしれないけどさ、しかもたしかに遅い時間ではあったけどさ、でも、中では同じ企画で東京から来たジャズミュージシャンたちが演奏してるわけだし、せめて中の職員に取り次ぐとかもう少し対応の仕方ってのがあるんじゃねえかっておもうんだけどね。まあアポイントをとらずに行ったオレ等がわるいんです。会場の人は全然わるくないです。わるくないけどさ、でも27日本当に演奏できるのだろうか。まさか入れてもらえなかったりして。いやまてよ、そもそも、会場そのものを間違った可能性はないか? いや、オレならありえる。ウ〜〜〜ん、こんな忙しいときにわざわざパリまで来たのに、なんだかトホホ・・・って気分の大友です。