文化って? MUSICS書評ほか

otomojamjam2008-09-30

パリ公演、満席御礼、演奏内容も素晴らしいものでした。ぼくらを直接ケアしてくれた担当の方たちにも感謝。AさんとKさん、ありがとう。あなたたちがいなければ途中で帰っていたことでしょう。感謝してます。そんなわけでスタッフレベルでは、楽しい公演でした。ただね、今年だけでも3回もやったパリの公演の中では、一番ちゃんとした主催者であるかに見えるパリ日本文化会館が主催したこの公演だけで、なぜか、今まで経験したこともないような、いやな思いをいろいろとさせてもらいました。残念ながら、忙しい中、相当無理をしてわざわざ行った甲斐ってものは感じにくかった。この公演が先にきまってたんで、非常にいい条件だった9月上旬のONJOのパリの公演をオレは断ってるんだけどさ、こんな気遣いしなきゃよかった・・・って思いたくもなるようなあつかいだったなあ。演奏家にたいする敬意のないところとはもう二度と仕事しません。ってか音楽くらい聴いた上で呼びましょうね。


ここの話ではないけど、よく主催をしてる人から、プロモーションに使うからCDを送れ・・・って、問い合わせがくるけど、はっきりいいますが、こういう問い合わせが来た時点で、オレはココロのシャッターを閉めます。CDも送りません。CDくらい自分で手にいれろ! ってかCDくらい聴いた上で、せめて自分で探して購入した上で仕事のオファーをしてください。いまどきネットでいくらでもCDは手に入ります。まあ、だいたいこういうことを言ってくるのは大きな組織とか公的機関です。もう、こういう無責任な怠惰な文化への関わり方は、いいかげんやめませんか、大きな組織のみなさん。せめて音楽を聴いた上で主催してください。


こういうことばっか書いてると本当に仕事なくなるから、このくらいにしておこう。



え〜と河出書房から出ました『大友良英のJAMJAM日記(1998〜2008)』そろそろ書店に出だしてると思います。帰国して、わたしもはじめて現物見ました。森山大道さんの写真と、戸塚康雄くんの装丁が素晴らしい。表紙と背のJAMJAM日記の書体を見て、にんまりした方は、ある程度の年齢以上の方だと思います。そう、これオリジナルの殿山泰司さんの『JAMJAM日記』の最初の単行本に使われた文字をもとにしてます。70年代後半赤い文字で書かれたオリジナルの『JAMJAM日記』を何度も何度も読んで、わたしは東京のフリージャズシーンに思いをはせておりました。融通無碍なオリジナルの殿山さんのあの洒脱さには、まったく及ぶべくもありませんが、でも10年分という長さと量、それから移動距離だけは、多分だれにも負けません。
10年の軌跡なんて帯に書いてありますが・・・、日記の冒頭は1998年のGROUND-ZERO解散コンサートにはじまり、YCAMのENSEMBLESに至るまでの10年の過程が、はっきり読んでとれると思います。http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309270470




6月末に岩波から出た『MUSICS』のほうも、おかげさまで重版もされ、好調な売れ行きのようです。書評もぼちぼち、いろいろなところに出ております。岩波の方に送ってもらった信濃毎日新聞に出ていた出口康夫さんの書評、うれしい書評なんで添付しておきます、読めるかな。ほかにも椹木野衣さんが新潮の10月号で、横川理彦さんがサンレコで、五所純子さんがサンデー毎日で、それぞれ書評してくれてます。
写真は重版本をつくっている町工場の様子。カバーにすじつけをするビク抜き加工って作業と、そのための道具だそうです。写真を見てるだけでも美しい。普段何気に手にする本も、こういう過程をへてるのかと思うと、俄然違った興味が出てきます。モノを作る、文化に関わるってのはこういうことだと思うけどね。ね、お役所のみなさん、そうでしょ。違いますかね。
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0248540/top.html





あ、敬愛する若尾裕先生がサイトで連載はじめましたねえ、面白いですよ。
http://www.artespublishing.com/serial/wakao/index.html