壊滅的台風のなか大詰め作業中

otomojamjam2009-10-08

え〜〜
連日秋葉原にある旧練成中学校の校舎につめて作業をしております。
今年の頭から準備をはじめた「ENSEMBLES 09」展の総決算ともいえる展示「休符だらけの音楽装置」の準備のためです。


この展示、中学校の校舎の屋上でおこなわれます。野外です。ここに張られた高さ10mのフェンスを中心に、休符だらけの音楽装置の数々が取り付けられる予定なんですが、昨夜の台風で壊滅的なことになってるような予感。いや、もちろん、多くの作品はいったんはずして、避難させてますが・・・。でもね、オープン3日前ですよ。トホホ。
おまけに今日もものすごい風。このなかで、展示準備、午後から再開です。大丈夫なのだろうか。ってかこんな風のなか10mもの足場に登れるのだろうか。
オープンは10日夕方です。
頭の中でスパイ大作戦の5拍子がなりつづけています(あ、もちろん40年前のテレビバージョンのほうね)




わたしの作品を吊り上げ中



そして翌日11日は高円寺のGallery 45-8で、「with records」の展示もオープンします。こちらはわずか8畳の小さなスペースながら、原宿VACANTの「without records」の展示を受けたアンサー展でもあります。コラボレーターは、マッツ・グスタフソンと、もちろん愛すべき小さなギャラリーを運営するGallery 45-8の人々、そして主役はフリーハンドの切り絵作家、尾関幹人です。切り絵・・・といわれてもイメージわかないと思いますが、まあ、見てみてください。ものすごいです。わたしははっきりと彼のことを「天才」と呼んでいます。こんなものすごい人がうもれていたことに驚愕しています。
入場は無料。で、この作品をつかって録音されたCDを会場のみの限定で1000円で販売します。700部限定です。貴重盤です。展示されてるアナログのほうも販売予定ですが、値段は未定。こちらは1点ものですので高いです。

with records


一方の秋葉原の「休符だらけの音楽装置」は、これとはあらゆる意味で対照的です。
まずは会場、めっちゃ広い。どんだけ広いのってくらい、都市のまんなかにぽっかりあいた野外空間です。
そして、ここでは、展示どうこう以前に、すでに、このぽっかり空間でなってる音が面白いのです。
このままなにもしなくても街の音がまるでオーケストラのよう。特に秋の夜は泣けるくらい素敵な音です。
このぽっかり空間に、ここ数年、わたしが最も興味のあるサウンドインスタレーションをする大好きな作家たち、梅田哲也、伊藤篤宏、山川冬樹、毛利悠子、堀尾寛太、Sachiko Mに来てもらって、自由に音の作品をつくってもらってます。でも、いわゆるグループ展ではありません。かといってわたしの個展でももちろんありません。あえていえば7名のバンドです。「休符だらけの音楽装置バンド」。みなでああでもない、こうでもないと言いながらの製作過程はまるっきりバンドのリハのようです。
それぞれの作品はあるときは密接にからみあい、あるときはまったく無関係に、このぽっかり空間の中で機能しながら、微かな音をかなでます。音が小さいのは近隣に住んでいる人たちがたくさんいるから、というのもありますが、なにより、なにもしない状態でなっている街の音を殺したくないからです。とはいえストイックなものでは全然ありません。街の夜景をぼ〜〜〜っとしながら楽しむような、そんな展示になればいいなと思っております。



実は毎日、毎日、ここに書きたいような面白い出来事がたくさん起こっているのですが、今は、とにかく展示の準備で、いっぱいいっぱい。しかも台風一過の強風の中、ほんとう展示、完成するのだろうか?


もしかしたら10日オープン時もまだ何かを作ってる可能性もあり。
まあ、楽しみにしていてください。
こちらは入場料500円のワンコイン展示。作品は売りません。



製作中の堀尾、梅田、毛利(遊んでるわけではありません、これでも試行錯誤)


12日にはこのメンバーで「休符だらけの音楽装置バンド」のライブもこのぽっかり空間でやります。
もちろん普通のコンサートではありません。超特殊ライブです。展示作品との共演ですが、なにが展示作品で、なにが演奏なのか多分わからないような謎なぞライブになります。
開演は16時半。お楽しみに。


これもいろいろいろ試行錯誤中


「休符だらけの音楽装置」


大友良英+伊東篤宏+梅田哲也+Sachiko M+堀尾寛太+毛利悠子+山川冬樹


会期: 10/10(土)−11/3(火祝) 17:30―21:00 会期中無休
会場: 旧千代田区立練成中学校(千代田区外神田6−11−14)
入場料: 500円(小学生以下無料)
主催: commandN、ENSEMBLES実行委員会
協賛: フォステクス カンパニー、株式会社リーテム、他
アクセス:  銀座線末広町駅4番出口 徒歩1分/千代田線湯島駅6番出口 徒歩3分/
JR御徒町駅南口 徒歩7分/JR秋葉原駅電気街口 徒歩8分


新作インスタレーション「休符だらけの音楽装置」は、旧中学校の巨大屋上運動場で大友良英+伊東篤宏+梅田哲也+Sachiko M+堀尾寛太+毛利悠子+山川冬樹らによって制作された様々な音楽装置が互いに影響を与えあい、都市の音の中で響き合いながらアンサンブルを奏でます。雨風や直射日光を受けながら、随時更新されるそれらの音楽装置は、日々のサウンドスケープをも全く別のものに変化させ、聞くという行為がいかにその場の環境と密接に関わり、複合的に知覚されるものか気づかせてくれるでしょう。会期中は会場でのライヴも予定されています。


■10.12(月、祝日) オープニング·ライヴ
 大友良英、伊東篤宏、梅田哲也、Sachiko M、堀尾寛太、毛利悠子、山川冬樹
 16:00/16:30 当日2000円 (入場料込)
 (※会場の都合上、雨天中止の場合があります。当日webサイトにてご確認下さい。)
■11.3(tue) クロージング·ライヴ 16:00/16:30



制作中の毛利とSachikoM (遊んでるわけではありません、これでも試行錯誤)

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「with records」


大友良英+尾関幹人+マッツ・グスタフソン


会期: 10.11(Sun) - 11.8(Sun)
Thu, Fri: 18:00 - 20:00
Sat, Sun, Holiday: 13:00 - 20:00
休廊日:月 - 水曜日
会場: gallery45-8(東京都杉並区高円寺南3-45-8)
http://d.hatena.ne.jp/gallery458/20091008/1255008001
主催: gallery45-8、ENSEMBLES実行委員会


マッツ・グスタフソン+尾関幹人+大友良英による特殊アンサンブル。スウェーデンを代表するサックス奏者マッツ・グスタフソンのサックス・ソロのレコード盤上にハイパー切り絵作家、尾関幹人が塩化ビニールの切り絵を刻み付ける。観客は自由にそのLPを鑑賞し再生できる。盤上のサックス音はズタズタに分断されると同時に、分断を作り出す切り絵があらたな音のシークエンスを生み出す。《without records》と対をなす作品。

■切り絵が施されたレコードの作品を、大友良英が再生、操作、コントロールし録音したCD『with records』(doubtmusic / dme-131G)を会期中GALLERY45-8にて独占販売。

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開く毎に変わる「ENSEMBLES展」ホームページ
http://www.ensembles.jp/