レコーディング終了

otomojamjam2005-01-26

2日間のレコーディング無事終了。
3時過ぎまで打ち上げ。みな物凄く呑んでいて
でも、するのは100%音楽の話ばかり。
ものすごく深くておもしろい議論の応酬
最後はさすがに英語疲れしてきてしまったけど・・・。


なんだかうつろになった脳みその
向こうで、この1週間におこった音楽のことを
ものすごく真剣に建設的に英語で議論している
彼等をみていて、ココロのなかで泣けてきてしまった。
あえて「英語」と書いたのは
今回のメンバーには一人として
英語が母語の人間がいないからだ。
僕等はいつもこうやって
多少のうまい下手はあるにしろ
英語でコミュニケーションにて世界中を
旅する。この世界特有のミュージシャン・ピジン英語
とでもいったらいいだろうか。オレは音楽に
国境はない・・・みたいな奇麗事はまったく
信じていないし、現実に世の中は
国境どころか、山のような壁とボーダーだらけだけど、
でも、こういう瞬間だけは
少なくとも僕等の住む世界に国境はなくなる。
こうして年に何回か、僕等は世界中のどこかのフェスや
コンサート会場で出会っては、共演したり、酒を飲みにいって
わいわいと大真面目にやったりする。
オレにとって、一番住み心地がいいのは
東京とかロンドンといった特定の場所ではなくて
彼等が、僕等が生息出来る「場」なのだ。
こんな「場」を自分でつくってみたくなったから
今回のフェスをやったようなところもある。



今日は宇波拓大蔵雅彦、ビザの関係でアメリカ行きが
おくれて奇跡的に参加できた中村としまるにもきてもらった。
SachikoMも加えれば4人ものオフサイト系のミュージシャン。
彼等が今やっていることがどれだけものすごいことか、
オレにとっては
もう何度も書くけど、40年前のドルフィー
彼等なのだ。今日もドルフィーの曲の一部で
彼等だけに演奏してもらったけど
それはもう、はじめてOUT TO LUNCHを聴いたときのように
本当に震撼させられるくらい素晴らしかった。
彼等だけが演奏した5分間はまるで奇跡でも
おこったかのような時間だった。
そんなわけで、
オレはずっと彼等と自分のやってきたONJQのようなバンドが
矛盾なくいれるようなバンドを夢想してきたけれど、
それは、本当にほとんど不可能におもえるくらい
遠い道のりに感じていた。
でも、今回マツやアクセル、コル
石川高カヒミ・カリィといった特異な個性と
そうした音を受け入れることの出来る
素晴らしい耳を持ったミュージシャン達の参加のおかげで
なんとかその一歩を踏み出せたような気がする。




2日間でアルバム2枚分録音
まだミックスをしていないが、
おそらくどちらもわたしにとっては
ベストといってもいいくらいの出来になるような
予感がしている。
ベストというのは音楽的に完成しているということではなく
今まで誰もやっていないもの、オレ自身ですら
見たこともない領域に初めて入ってきた・・・という意味でだ。
これについては
マツがすごい嬉しいことを言ってくれた。
自分を褒める言葉を書くのは少々下品だとは
おもうけど、今日はあまりにも嬉しいので
少しだけ調子に乗らせてください。
「大友がサンプリングやカットアップをやめてJAZZを
やりだしたときは、完全にミスダイレクションだと思ったし
欧州のだれもが思ったように、オレも
大友が過去に後退してしまった・・・って思って
ものすごくがっかりしたんだけど、でも
そうではなくて、ここに至る過程だったんだって
やっとわかったよ。あのプロセスがなければ
ここに至らないし、今回のオーケストラでの出来事
は、今まで誰もやってない、本当にすごいことだと
思うし、参加できてものすごく嬉しかったよ」

無論話はこれだけじゃない。彼ともアクセルやコルとも
ものすごく深い話を沢山して、でもそれは
アルバム製作中の今は、ここに書けないような類のことだ。
ただ彼等がオフサイト系(とあえて書いてしまうが)
のミュージシャン達や石川高に対して
ものすごいリスペクトをしていることだけは
付け加えておこう。そういう耳をもっているからこそ
彼等と一緒に創作できるともいえるし。


佐々木敦さんも前半3日間に来てくれて
今気付いたのですが
その感想を書いてくれています。
すごい的確に見てくれていて嬉しいです(泣
彼には教えられるところ、本とに多い。
http://www.faderbyheadz.com/a-Site/a-news.cgi
こうやって、すこしづつ、自分がなにを
やりたいのかが、人を通して見えてきたり、
逆に見えなくなったり。
はじめから自分の中に確信があってやってるように見えるものは
オレはあんまり信用してなくて、
創作ってのは、多分こうやって
いろいろ人と何かをしていくなかで
自分にフィードバックしていくものの中から
すこしづつ見えては消え、消えては見えてくるもん
なんだと思う。
「自分で説明がついてしまうものは疑ってかかれ!」
いつもそう思いながらやってます。


あ〜〜〜
なんかオレ酔っ払ってるな。
オレはまったくの下戸なんですが
でも気分の良い打ち上げをすると、本当に
酔ったようになってしまうところがあって・・・。
なんか今日の日記は、まるで酔っ払いの
戯言みたいだ(苦笑

とっても、とっても、嬉しかったんで・・・・
勘弁してください。