Filament@OSLO

otomojamjam2006-01-15

今日は非常階段のJOJOさんやJUNKOさんが、地元のミュージシャンとそれぞれDUOを。どちらも素晴らしくかっこよかった。目が醒めるような演奏とはこのこと。ほんと、すげえや。
Sachiko MとわたしはFilamentを。これもいい演奏だったんじゃないかな。おかげでFilamentの5枚組みのボックスセットが完売した。国にもよるが、ここオスロではCDの売れ行きは演奏内容の良さとほぼ比例するかんじ。
オーディエンスも実に静かに集中して聴いてくれる。4〜5年前だったら考えられないことだ。爆音のノイズ、演奏を主体とした古典的な即興演奏、弱音系、あるいは今回のFilamentのような極端な周波数による爆音でミニマルな演奏・・・こういったものが同じオーディエンスによって共有されている・・・というのが最近の欧州の傾向のように思う。ひとつのムーブメントに流れがちな東京と、このあたりはかなり違うところ。



しかし毎回おもうけどノルウェイ、物価高すぎ。この界隈で一番安いベトナム料理屋のフォー(ラーメンみたいなやつ)で1800円。イタリアンでピザでも食べようものならひとり3000〜4000円。安手のハンバーガーですら700〜800円。これはいくらんでも高い。パリの物価の2倍。ベルリンの物価の3倍ってところか。


明日は敬愛する英国紳士ジョン・ティルバリーの即興のソロがあるのだが、残念ながら見れない。朝にはバンで飛行場に連れて行かれ、また飛行機を3回乗り継いで20時間かけて日本へ戻ることになる。扁桃腺でかるく発熱したまま、先々週のNYの時差もなおらぬまま、軽くぎっくり腰をかかえたまま、どうせ満席のエコノミークラスで、オレらツアーミュージシャンは体をすり減らしながら、いくばくかのユーロ札やドル札と引き換えに、移動をくりかえすのだ。
いつも思う。オレがもらうギャラは、演奏との対価なんかじゃないって。身を削って遠路はるばるやってくる肉体労働者への謝礼だってね。だから遠方からの安いギャラの仕事なんて絶対に受けない。いくらオレだって、命の値段はそんな安いもんじゃないだろ。
こんな生活をしていったいいくつまで生きられるのか。