ONJO Plays music of Takeo Yamashita

otomojamjam2006-03-17

ベルリンでの山下毅雄作品集のコンサート無事終了しました。


ONJOのメンバーは
伊集加代(vo)  Margareth Kammerer(vo) カヒミ・カリィ(vo)
Alfred Harth(ts)  津上研太(as)  石川高(笙)
Sachiko M(sine waves)  高良久美子(vib)
水谷浩章(b) 芳垣安洋(ds tp) 近藤祥昭(sound)
大友良英(g, conduct)


1 七人の刑事
2 プレイガール
3 スーパージェッター
4 ルパン三世 エンディングテーマ
5 ジャイアントロボ
6 涙から明日へ
7 TAKEO YAMASHITA CONDUCTION including 大岡越前
8 ルパン三世 ワルサーのテーマ
アンコール
プレイガール



会場からあふれるくらいの超満員の聴衆、止まらない拍手。本当に本当に素晴らしいコンサートでした。最初の「七人の刑事」の伊集さんの一声で、オレのココロは昭和40年代にワープしてしまいました。わたしにとっての80年代のアイドル、アルフレッド・ハルトが山下メロディを吹いて、本物の伊集さんがスキャットをしているだけでも、オレにとってはもう涙ものなのに、そこにさらにONJOの素晴らしいメンバー達がよってたかって山下毅雄の作品をやるわけですから・・・。演奏が終わってステージをおりるとカヒミさんも涙を流していました。コンサートが終わってもしばらくは、昭和40年代のあの独特の日本の風景から帰ってくることが出来なくて、オレもしばし呆然。伊集さんの声と山下メロディが、僕等を、今はもう無くなってしまった、もうこの世のどこにもない、でも僕等にとっては、忘れることの出来ない、僕等の親達の世代が作ってくれたあの昭和40年代の世界に連れていってくれた感じでした。
これ、もちろんノスタルジーの気持ちがないわけじゃない。でもそれがメインってことではなくて、こんな気持ちを支えているのは、当時の音楽や文化へのリスペクトの気持ちと同時に、はっきりと現状への批判と、この先をしっかりと見つめていく上での、僕等の回答でもあると思っている。ビンテージ楽器や、古い家電製品への敬意もなしに、ただ電源部の問題だけで、それら素晴らしい機械(実際に今の機械よりはるかにすぐれているものが沢山ある)を平気で破棄することを勧めるような狂った法律を、なんのココロの痛みもなく作ってしまうことが出来る貧しい大人達に対する僕等の回答でもある。僕等の親達の世代が作ってきた文化は、使い捨てにできるようなもんばかりじゃない。オレは親父たちの作ってきた機械の良さをちゃんと知りたいし、それ以上のものを作りたいって思っている。そういう話だと思っている。音楽家である以上、例のおかしな法律電気用品安全法に対して、署名運動だけじゃなく、音楽でもはっきりとこの問題に回答をしておきたいしね。おっと、山下毅雄の音楽から話がそれてしまった。


山下先生は今日のコンサート、あの世で聴いてくれてたかな?
今頃はあの世の酒と、きれいな女性に忙しくて、それどころじゃないかもだけど、でも、きっと僕等の音、あの世まで届いていたと思う。



明日は同じ会場でエリック・ドルフィーや僕らのオリジナルを中心に演奏する予定。
古い機械も、今の機械も、それぞれの良さがあって、オレはそのどちらも使いこなしたい。