無事帰京

otomojamjam2006-07-04

体調もこわすことなく、どうにか11連ちゃんのライブをこなしてまいりました。
数日ぶりに東京にもどる新幹線の中で書いてまーす。


とりあえず簡単な報告を




6月27日28日のGRID605オープンイヴェント前半は事故もなく無事終了。運営すると「事故」とか「近隣」とかそういうことがまずは切実な問題として気になるんですね。こういうの経験してみないとわからん。
とりあえず購入したクーラー、椅子、靴置きも無事に機能してくれてほっとしてます。
個々の内容の感想については主催者かつ場の運営もしている立場なので、さしひかえますが、わたしは非常に楽しみました。


実はここのPAは録音スタジオ仕様のサウンドシステムだったりします。なにしろGRID605、普段は映画の音なんかをつくっている小さな個人営業のスタジオなので、システムそのものの音が良くて、そのモニターシステムをそのままライブに流用させてもらってます。近隣の関係で大きな音こそ出せませんが、特にエレクトロニクスをやる場合には通常のライブハウスではなかなか出せない音域も出せたりするんで、最初の2日間、わたし個人は、今までFilamentのスタジオ録音以外では実現できなかった20Hz〜40Hzあたりの低周波を中心にした演奏をさせてもらいました。聴こえるというよりは、体が振動を感じる、鼓膜が揺れる、あるいは平行感覚がゆらぐ・・・って感じだったと思います。この種の実験は、ほかのスペースじゃシステム的に無理があってなかなか出来ないし、CDに入れるにしても、ヘッドフォンや家庭用のスピーカーでは再生出来ないので、この場かぎりの試みってことで。


GRID605はひきつづき7月7〜9日のオープン第2弾をやったあとは、わたし個人の企画の手を離れ、音楽に限らず、いろいろな人たちによるここでしか出来ないような企画が月に数回行われることになると思います。わたしの役目は岩井主税とともにここの管理と運営って感じで、たまに自分の企画をやる以外は裏方にまわります。どんなものになるのか、これからが本番ってわけです。近隣との関係で制約の多い場所ではありますが、その範囲内で、なるべく自由な企画が組めるようにしたいと思ってます。GRID605のホームページや、ここで随時情報を流しますので、これからもぜひぜひよろしくお願いします。




6月29日 六本木スーパーデラックスでイノヤマランド、COSMOS, そしてバスラッチ+大友(バストモ)。
久々に見たCOSMOSが本当に素晴らしかった。吉田アミSachiko M、2人ともまったく揺らいでないというか、非常にやってることが明瞭明確かつ、ある種の強さみたいなものを持っていて、本当に感動しました。音楽に男女というのがあるのかどうか議論のあることろだとおもうけど、わたしははっきりとあると思っていて、とりわけ、この種の音楽をやる際にそれは際立つような気がしています。COSMOSはその意味では、非常に女性的にもかかわらず、女性の色気や女性の強さ弱さのような要素は一切ない稀有な音楽で、むしろ社会的に規定されてしまっている女性ということへの強い批評性をふくみつつも、それが言葉(理論)で説明できるようなものになってしまわずに、音の領域の中でしっかりと立っている音楽・・・みたいな感じがしています。とまあ、こう言葉で書いてしまうだけでも、男の子的な解釈になってちゃってCOSMOSの2人からは「ふん」って言われそうですが。いずれにしろ、本当にいい演奏でした。
敬愛する先輩、50代のイノヤマランドも素敵な演奏でした。
バストモ・・・京都の2人組に負けないように頑張りました。どう聴いてもらえたかな。
打ち上げは例によって近くの北京ダック屋で。イノヤマランドの山下さんがびっくりするくらいご近所さんで、しばし近所の商店街の話でもりあがりました。



7月1日西部講堂P-hour。 あこがれのインキャパシタンツとの初共演。この日は最初からターンテーブルを破壊するつもりでした。中高音域ノイズのインキャパにうもれないよう、彼等のあまり出さない50〜70Hzあたりのちょうと西部講堂が共振して揺れる重低音にポイントをしぼって、破壊していくターンテーブルがそのあたりでフィードバックするように設定。痙攣する2人にはさまれて、思う存分やらせてもらいました。おかげで今も筋肉痛。
打ち上げでは久々にDCPRGのメンバーたちと楽しい時間。わ〜〜〜〜い・・・って感じで。



7月2日 京都造形大学の足立正生監督のイベントに飛び入り参加。映画におけるサウンドシステムとその社会的にもつ意味・・・なんて話を。このあたりは映画制作中にも足立監督とさんざんはなしてきたことで、ステージにおけるPAの意味なんかもふくめて、わたしにとってはここしばらくの中心的な課題のひとつ。その後は監督たちと打ちあがりたかったけど、涙を呑んで西部講堂へ直行。中村達也のユニットを見ておきたかったのだ。彼とはこの先もいろいろ本腰をいれてやってくつもり。
で、この日も吉田屋で朝まで。


7月3日 思い立って広島へ。勝井裕二、山本精一が招聘しツアーをしているアルゼンチンの即興音楽家たちをぜひ生で見たかったのだ。なにしろこの日しか見にいけそうな日がない。で、こっそり見るつもりだったのが、受付でばれてしまって、挙句に2セット目で1曲だけステージにも出るはめに。
実はいわゆる「アルゼンチン音響派」については、まずはそのネーミングに疑問があったし、CDではいまいちわからないところもあったりした・・・というのが正直なところだった。でも友人の勝井くんや山本ちゃんがあそこまで力入れてやってるってのもあるし、このところ北里義之がものすごい量の論考をmixiに書いているのを読んだあたりから俄然興味がわいてきて、CDだけじゃなくて生でどうしても見たくなったのだ。即興だもん、生でみなくちゃ。で、結果は生で見て正解。すごくいいセットだった。特にパーカッションのサンチャゴ・ヴァスケスの演奏は非常に好み。一緒にやっていてもとっても楽しかった。
ところで会場で見ていたとき、なんていい音なんだろう・・・いったい誰がPAを・・・・って思ったらZAKでした。