イブなんで光らせました

otomojamjam2006-12-25

ということでONJQのゲストはオプトロン(蛍光灯の自作ノイズ楽器)を演奏する伊東篤宏さん。



入りきれないくらいの大入り、ありがとうございました。
入れなかった人、ごめんなさい




セットリストはこんな感じ。


1.Flutter
2.ゆるやかな拘束(新曲)
3.Pholydrice(新曲)
4.Serene
(休憩)
5.Song for Che〜Reducing Agent(with Guest)
6.Lost in the Rain〜Tails Out (いつもとアレンジを変更)
7.Straight Up and Down (これも、いつもとアレンジを大胆に変更)
8.Lonely Woman
(アンコール)
9.Gazzelloni (with Guest)


多分2時間以上やったような気がする。
ギターは久々に愛器GibsonのES350(57年製)を。多少弾きにくいけど、その音色は至宝の響き。




セットはステージ向かって右から津上研太芳垣安洋水谷浩章、(伊東篤宏、2曲のみ)、大友と半円形に組む。
実はオーケストラのほうで、どうしても固定しがちなフロント、リズムセクション・・・というよな役割分担の概念をなくしたい、崩したいと思っていて、それには、配置と作曲編曲を根本から変えていかなくてはと、今切実に考えている。今回の半円形の配置はそのための布石のひとつ。配置で役割分担も変わる。だから昨日は、あまりソロまわしとか、サックスがフロントみたいな感じにはならなくて、通常のオーソドックスなフリージャスに比べるとずっと漠然としていたはずだ。


クインテット時代からオーケストラにいたるまでかならず演奏してきた「ユリイカ」もやめてみた。この曲は、もう種明かししなくてもわかっていると思うけど、実はアルバート・アイラーのコンセプトをわたしなりに解釈したもの。同じアイラーコンセプトでも、高柳昌行のアングリーウェイブスが、アイラーの歌的な要素を徹底して排除し、リズムとコードの概念だけで演奏(これは、構造的にはアイラーに対するビバッブ的な解釈といえると思う)していたのに対し、わたしがやっていたのは、高柳昌行が注意深く排除した「歌」にむしろフォーカスをあてたもので、歌こそはもう一方のアイラーの根幹という考え方でそちらの方向への極端な拡張を目指したものだった。これは言い換えれば、アイラーからジャズ的(ビバッブ的)な要素を排除することでもあり、結果的には音響(ノイズ)と歌の要素のみがむき出しになり、ある種パンク的なものになっていったわけだけど、今回は、そこの部分は排除した。歌というフロント的な中心点を作りたくなかったからだ。


昨日はおわったあと、打ち上げの席で、津上研太、沼田順とONJOのライブCDについて、かなり長い時間、深い討論をした。それはONJOの音楽の根幹にもかかわるもので、実はその直前まで3月と4月に、ONJOのライブ盤を2組発売することがほぼきまっていたのだけど、夏まで延期することにした。一番の理由は、やはりわたしの体調で、今の状態で、しかもまったく休みのない厳しいスケジュールを縫って、1月中にマスターを完成させるのは、物理的にむずかしいし、やったとしてもどこかで妥協の産物になってしまうのではないかということ。今回のONJOのライブは、これまでのONJOの総決算だし、これで、もうこの録音と同じONJOは2度とやらずに、次の方向に夏からいくつもりでいるので、やはり、自分の中でも、メンバーの中でも納得の行くところまで、ミックスや編集を詰めたいとおもっていて、しかし、それをやると、レーベルの沼田君の経済を圧迫してしまうという後ろめたさもあったりして、かなりココロの中での逡巡があったのだけど、研太のあとおしと、沼田くんの男の決断で、発売、夏までのばしてもらい、4月にスタジオに篭って作品をじっくり作り直していくことになった。


沼田くんありがとう。


あなたを破産させないためにも、いい作品をつくる。そんなわけで、昨日のライブのMCで3月と4月に発売っていったけど、ごめんなさい、夏まで延期します。そのかわり、3月、4月にだすはずだったものより、格段にいいものをつくりますので、どうかご容赦を。




そのかわりの穴埋めというわけではありませんが、3月か4月をめどに、しばらく自分の中では封印していたGROUD-ZEROの初期のライブ音源をだしたいなという欲望がふつふつとわいてきております。多分、今GROUND-ZEROの音源て入手できるのは、末期のプレイズスタンダードと、あとはTZADIK盤くらいだと思うのですが、わたし個人としては、真っ先に聴いてほしいのは最初期の植村昌弘、加藤英樹の時の滅茶苦茶な頃の音源と、あとはスタジオ盤「革命京劇」(そもそも第2期のGROUD-ZEROはこのアルバムをつくりたくてはじめたようなもの)で、特に初期のライブは出ていないので、こちらをONJOライブ発売延期のピンチヒッターに用意できればと思っております。





演奏中はなんともなかったけど、翌日になって、ものすごい疲労感。やっぱ体完全じゃないなあ。ここのとこ、毎日のように、いろいろな仕事を断っている。断るのは、仕事を受ける以上にテンションがいる。でも、自分が死なないために、自分の作品を満足いく状態でつくるために、今は必要なことだと思っている。







いつも書いているけど、オレはありとあらゆる宗教やら宗教くさいものが大嫌い。
「宗教で救われた人より、死んだ人の方が多い」(ナムジュンパイク)




でも。この日記を読んだ人の何人かが、幸せな気持ちになれるなら、この言葉を言うこともやぶさかではない。
ここはあえてカタカナで、


メリー・クリスマス!





なんの宗教も信じてない人にも、なんかの宗教を信じている人にも、
素敵なクリスマスの夜を。