年末は仙台から

otomojamjam2006-12-31

クリスマスあけ、雷やら生暖かい雨が降って、今年はどうなってるの・・なんて思っていたら東北地方は雪に。新聞をみたら金閣寺にも雪がつもっておりました。


冬だ〜。


寒いのは嫌いだけど、いつも次の季節が来る瞬間は好き。ずっと悪かった体調も3日前から、やっともどった感じ。なんとか年越せそう。





今週は仙台に行って、来春からはじまる巨大な展覧会「without records」展の準備を。
展示する古いポータブルプレーヤーは66台。作業場の仙台メディアテークの地下室に居並ぶ50年代から70年代までの66台のプレイヤーの図はちょっと壮観であります。なんというか本来なら捨てられてしまったであろう、壊れかけのチープなターンテーブル達の出すオーラは独特。



スタッフ数名とともに、この地下室の作業場に丸2日間篭って、1台1台のプレーヤーにレコード無しで音が出る細工を黙々としておりました。作業があまりにも面白くて、20代から50代までの男数名が、まるでクレヨンをもたされた幼稚園の子供のように無言。室内は、ビビビ、ジジッ、ガガガガ・・・といったカートリッジの接触不良音と、フィードバック音、それにモーターの摺れる音のみ。ふと気付くと、これ、そのままでFilamentかなにかの演奏のよう。あまりにも面白いので制作風景のライブ録音、録画も。まじで将来CDに入れるかも。こんな無心の演奏をいつも出来たら最高だ。


2日目には美術系のテクニシャンとして知る人ぞ知るマエストロ金築浩史さんもやってきて、自動演奏システムの調整を。今回は展示のビジュアル面に関しては、仙台の美術家で、かつてわたしとDJトランキライザーというチームを組んでいた青山泰知さんが、自動演奏の頭脳ともなるスイッチングボックスを前述の金築さんが担当してくれていて、メディアテークの全面バックアップのもと各地から集まってくれたボランティアスタッフが手を貸してくれたり、映像の岩井主税が映像記録をとってくれることになったりと、非常にこころ強いかぎり。


計画通りいけば1月11日の12時、メディアテーク1階のオープンスクエアに設置された66台のプレーヤーが自動演奏をはじめる。もちろんレコードは一切つかわない。古いポータブルのプレイヤーそのものが発する様々なノイズやフィードバック音のみで、1月24日の18時までの間の計110時間、おなじ瞬間は一度としてない激渋の自動演奏が繰り広げられる。


今回はその個々のターンテーブルの調整をしたのみで、来年に入ると、数日仙台に篭って、いよいよ実際の展示作業がはじまる。なにしろここまで大きな規模の展示は未経験(昨年京都でやったとき17台だった)。今からいったいどんなものになるのか、どんな音になるのか、ウキウキとココロを躍らせている。






あ、ところで、今回はメディアテークで13日、14日にライブもある。
13日は7階のシアターでソロを。
内容は、今一番興味がある2台のギターを使ったフィードバックの作品を一部に。
二部のほうは、今回が初演、今度は2台のターンテーブルを使った(もちろんレコードを使わない)作品を考えています。


14日のほうは、一楽儀光、Sachiko MとわたしのI.S.O.。ただしこれはコンサートホールでの演奏ではなく、1階のオープンスペースのほうで、66台のプレイヤーとともに演奏する初の試み。
I.S.O.のみの即興も聴きたいという方は1月15日に山形,蔵オビハチ「灯蔵」 023-626-2737 http://ojisho.com/kuraobi.html    1月16日には郡山,LIVE STAGE PEAK ACTION 024-991-0533 http://peak-action.jp/ でも単独公演をやるので、ぜひいらしてください。山形で演奏するのは高校生以来。郡山での演奏も、たしか風巻隆さんやカーレラールと十数年前に行って以来。



13日14日のチケットは通し券のみで、CDR付で2800円。 2日間コンサートが見れて、おまけにオリジナル音源のCDR、さらに青山泰知の手によるレコードの破片を使ったオリジナルジャケットもついてこの値段は、かなり安いんじゃないかな。このCDR、今回のためにGRID605で作られた完全オリジナル音源です。内容はwithout recordsのコンセプトのまま、ターンテーブルそのものの音のみで構成された20分強の作曲作品。今後、同じものをCDとして発売する予定はないので、もしも興味あるかたはStore15Noveの通販でお買い求めくださーい。http://www.store15nov.com





さてさていよいよ大晦日
そういや昨年はNYで年越しだった。あれからもう1年もたってる。こんなに時間が早いと、あっという間に墓場になっちまいそうだ。やべえ、やべえ。
今年の大晦日は新宿PITINN。芳垣兄貴のエマージェンシーでの出演。




みなさん良いお年を!!!!!




来年もよろしく。




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大友良英 [ without records ]
インスタレーション
2007年1月11日(木)ー1月24日(水)
12:00-20:00 (最終日は18:00終了予定)
せんだいメディアテーク1階オープンスクエア/入場無料
※期間中ウェブサイトで会場の様子を配信予定

■関連企画ライヴ
大友良英ソロ
 2007年1月13日(土) 開場18:30/開演19:00
 7階スタジオシアター
◎I.S.O (一楽儀光/Sachiko M/大友良英)
 2007年1月14日(日) 開場16:30/開演17:00
 1階オープンスクエア(展示会場内)
※ライヴ・チケット=2日間通し券のみ [限定CDR仕様]/2800円
※ライヴ・チケットは、STORE15NOV (http://www.store15nov.com) と、せんだいメディアテーク1階ナディッフビスにて発売中。

◎公式サイト/http://www.smt.jp/wr/

■お問合わせ
せんだいメディアテーク
〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町2-1 
tel:022-713-4483 fax:022-713-4485
e-mail:office@smt.city.sendai.jp
web:http://www.smt.jp