「幽閉者」のCD出ました!

otomojamjam2007-01-12

仙台メディアテークの「without records」展無事オープンしました。
感無量です。

青山さん、小川さん、金築さん、スタッフのみなさん、ほんとありがとう。
ぜひぜひ来て見てやってください。


ところで、大切なこと忘れてた。
1月10日は足立正生監督作品「幽閉者」のサントラCDの発売日でした。詳細はここ→ http://www.ontonson.com/scb/shop/shop.cgi?No=1284
またはここ→http://www.faderbyheadz.com/



ここでもさんざんおつたえしてきた映画「幽閉者」の音楽を録音したのは昨年の春。ジム・オルーク、秋山徹次、Sachiko M飴屋法水、それにわたしを核に、スペシャルゲストにパードン木村、ヴォーイスにパンタさんを迎えZAKのストロボスタジオでの録音でした。
これを元に、今度は9月から10月にかけての一ヶ月間、自宅スタジオで丁寧にミックスをしなおして、さらに映画の中の音も多数追加して映画とはまだ全然違うバージョンをつくったのが今回のCDです。映画のサントラであると同時に、完全にCD作品としても映画とは別に楽しめるように作った・・・という点では、映画のサントラのというよりわたしのアルバムといってもいい作品です。


実は今回のCDの発売元のHEADZのレーベルオーナーでもある佐々木敦さんから今日メールをもらって、あまりに嬉しいので一部転載します。
「非常に納得のゆく仕上がりになりました。
本当にありがとうございました。
この作品は大友さんのひとつの集大成的な意味合いを持つ大傑作だと思います。
映画を抜きにしても、一枚のアルバムとして、恐ろしいほどの強度を持っている
と思います。」
個人的には、今回の作品、昔々、初めて出した自分のリーダー作の「We Insist?」(当時はめずらしかった香港のインディペンデントレーベルから発売されたアルバムでした)と対になる作品のような気がしています。ちょうどこの1枚目を録音していた1990年あたりは、まだ自分の方向が拡散していて、そのままの姿を1枚目の中に込めてしまったのですが、今回は、方向が拡散しているのではなく、はっきりと自覚して、あえて、方向が乱高下するような作品にしました。こんなことが出来たのは、ひとえに足立正生監督作品だからこそというのもあります。でもそれ以上に、ここで聴くことの出来る、いったいなんのジャンルの音楽かすらわからない作品が今現在の偽らざる自分自身の姿です。



マスタリングはわたしの音を一番良く知っていてくれるGOK SOUNDの近藤祥昭。表から見えるジャケ部分にはほぼ文字を入れてないというとんでもないジャケットのデザインをしてくれたのは、最近のわたしのアルバムの多くを手がけてくれている佐々木暁。映画ともどもよろしくお願いします。




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大友良英 / 幽閉者(テロリスト)』(oto-mo / HEADZ (oto-mo 1 / HEADZ 88)
60年代、アングラ界の寵児と呼ばれた伝説の監督、足立正生が35年振りに放つ衝撃の新作『幽閉者』のサウンドトラック。音楽はジャズ/インプロ/ノイズ他、ジャンルを超えたワールドワイドな活動で知られ、プロデューサー/映画音楽家(『blue』、『闇打つ心臓 Heart, beating in the dark』、『カナリア』、『僕は妹に恋をする』他)としての評価も著しい大友良英が担当。ゲストには映画本編にも出演し、映画のメイン・テーマともいえる「りんごのテーマ」で見事なアコースティック・ギターの演奏を披露しているジム・オルーク(既に元ガスター・デル・ソル、元ソニック・ユースという肩書きは必要ないと思いますが)、フィラメント/ONJOでも大友と共演するサイン波の女王、Sachiko M、昨年発表した『獄門逝きの十三号線、雷舞院刀狂』(HEADZ 43)が英音楽誌『THE WIRE』で年間ベスト・アルバムに選出された孤高のギタリスト、秋山徹次、東京グランギニョルの主宰者としても知られる現代美術家飴屋法水、60年代に足立監督の『銀河系』で音楽を担当し、齢70歳を超えた現在もジム・オルークオウテカからも尊敬される等、最先端アーティストであり続ける刀根康尚、ヤン冨田に見い出され、菊地成孔との共演も話題となったパードン木村、他蒼々たるメンバーがレコーディングに参加。映画用の音楽のレコーディングはZAKが所有するst-roboスタジオで行われ、エンジニア/ミックス自体もZAKが担当している。このサントラ用に大友自身がミックスに手を加え、出演者の田口トモロヲPANTAの台詞も大胆に使用し(ともに「ばちかぶり」、「頭脳警察」といった伝説的なバンドのフロントマンでもあった)、音盤自体で楽しめる内容となっている。