シンクロファックスとレコレート

otomojamjam2007-04-01

え〜PITINNにお越しのみなさま、ありがとう。術後初のハードコアな2セットでしたが・・・う〜〜ん、ちょい傷が痛い。演奏中はなんともないんだけどねえ。どうも傷口がいまいちちゃんとふさがってない。今日のスペシャルゲスト、ブロッツマンとは17年ぶり。すげえや、やっぱ。ちなみに、ONJO、欧州では彼と同じマネージメントオフィスに世話になっている・・・という縁でもあるのだ。でもって本日の主役のポールとは何度も会ってるけど初共演。ナスノくんとはもう十数年来の朋友で、今年もこれから彼といろいろ一緒にやる仲。傷口は痛いけど、でも楽しいセットでした。




さて、ここのとこブログでのターンテーブル紹介を怠ってきたので、今日からふたたびターンテーブルの特集を。
最初はレコード盤自体がかわった素材でつくられていて録音も出来た60年代の2機種から。




まずは写真右上。これはコピー機で有名なリコーが販売していたシンクロファックス。
なにをする道具かというと、磁気の入った特殊な紙を本体の中心におき その磁気を読み取り 音や声を流してくれる機械で、主に学校教材として使われていたとものの本には出ているのですが、う〜〜〜ん、昭和40年代に小中学校にかよっていたのに、こんな機械の記憶はないなあ。いったいどういう利用の仕方をしたのだろう? それになんで紙だったんだ? まさか名前のとおりファックスのように、電話線でむこうに送れたのだろうか? 名前からするとそうかもしれない。でも、あの当時、そもそもファックスというのもがまだ世間には存在してなかったはずだ。う〜む、謎!




もうひとつ、もっとかわったメディアに録音する機械が下の青いマシーンで、その名も「レコレート」。こちらのほうは当時玩具として売られていて、シンクロファックスよりはずっとポピュラーなものだった。これをつくった神戸のミズキ製作所はのちにバンダイに吸収されてしまったが、当時は電子ブロックのようなかんじでラジオがつくれる「ラジパズル」なんてしゃれた玩具も出していて、小さいながら人気のある玩具メーカーだった。この「レコレート」、今でもたまにヤフーオークションに出るので知ってる人も多いと思う。原理はいたって簡単で、中央の釜のような穴にチョコレートを流し込み、右のノブを回しながらノブの先端についている穴に向かって大きな声で歌うと、溶けたチョコレートが固まる際に音溝に声が刻まれて、ドーナツ盤そっくりの姿になって固まってでてくるという代物。チョコ盤にはレコードの溝よりはるかに大きな溝が刻まれていて、1分弱の再生が可能だった。一番下がそれを再生する簡易プレーヤー。録音再生とも原理は蓄音機そのもので、音はアコースティック、ガサガサとノイズだらけではあるけど、たけひごを使った太い針ではっきりと声が再生できた。すぐに溝が磨り減ってしまうのが難点だけど、寒い場所なら数回は再生可能だったんじゃないかな。発売は1966年の2月。当時のキャッチコピーは「レコレート・・・チョコが運ぶ愛のメッセージ」。チョコにメッセージを録音し、これに簡単に組み立てられる再生機をそえてバレンタインデーのプレゼントに・・・という目的で作られた商品だったそうだけど、僕等昭和40年代の子供たちは、バレンタインデーなど全然関係なかった。そんなものを知ったのはもう少し後のことだ。それに小学校の低学年にとっては、愛だの恋だのよりも、チョコに声が録音出来ることのほうがよっぽど重要だった。近所のお金持ちの子がこれを買ってもらうと、みなでそこの家に押しかけて、大きな声でウルトラマンの歌を吹き込んで遊んだものだ。うちでは高くてもちろん買ってもらえなかった。復刻版電子ブロックみたいなかんじで、学研あたりで復刻してくれたら絶対買うんだけど。