訃報  キッドアイラックの南さん

明大前のキッドアイラックホールを長年支えてきた南陽子さんが亡くなったという連絡が入りました。
葬儀は家族だけでとりおこなわれたそうです。



キッドが今の場所に移転ずるずっと前から南さんには本当にお世話になってました。
最初にここで演奏したのは20年以上前だったかな。
それ以前の70年代末から、客としてもずいぶんかよいました。
南さんにはものすごくお世話になったのに、実はわたしは南さんのことはほとんど知りません。
いつも企画の話をし、演奏がおわったあとは感想をひとことふたことかわし、そして世間話や、次になにをやろうか・・・なんて話を南さんのパートナーの坂本さんや、ときにスタッフの早川くんなんかとも一緒にして、あとは地下の喫茶店でわいわい盛りあっている僕らをカウンターの脇でながめながら「それじゃ先に帰るからね」といって静かに出て行く・・・そんな感じでした。
南さんが何歳で、どこに住んでいて、なんでキッドをやるようになって、どんな音楽が好きなのかとか、なんにも知りませんでした。いつもキッドに行けばいるもんだとおもってました。でも、ほとんど知らないといいながらも、なんとなく南さんの好みはわかりました。それはキッドでやっているライブを見ればわかることでもありました。僕らはそんな南さんを信頼して、だからこそ、キッドでしかできない音楽をやってこれたんだと思います。
死んでからじゃなくて、生きてる間に本人に伝えるべきだよな、こんなことは。



南さん、ありがとうございました。
心からご冥福をお祈りいたします。
キッドアイラックホールは、この先もパートナーであった坂本さんが続けていくことになると思います。
キッドでしかできないものをやってくことで、ご恩をお返しできればと思っております。