新潟、雪のクリスマス〜そして年末新宿PITINN8連続公演へ

新潟からの帰路、新幹線の中でこれを書いております。
新潟で半年にわたって開催していた飴屋法水さんたちとつくった展示「Smile」もクリスマスイブの極寒の晩に無事幕を閉じることが出来ました。ご来場のみなさん、サポーターやスタッフのみなさんにささえられての展示でした。本当にありがとうございました。新潟、いろいろあったけど楽しかったなあ。


今現在東京都現代美術館でやっている「音楽とアート展」のなかの「with "without records"展」が、見た目はまったく異なりますが、実は、音の上で新潟の展示と対になるように作ったものです。表面上はさらに分かりにくいかもしれませんが、これまで作って来たwithout recordsとは、音の作り方の上でも大きく異なります。「without」と言っておきながら、なぜそこに「with」をつけたのか、それは2010年から2011年にかけて水戸芸術館でやった展示「Ensembles2010共振」からの流れが、震災や新潟をへて、変化してきたものでもあります。とまあ、わたしの中では、根本的な変化だと思ってる作品ではありますが、でも、聴いてくださる方は、そんなこととは関係なく、音楽作品として楽しんでいただければとも思っています。




さて、年内残すところあと数日。この3ヶ月、展示の制作と、NHKの次の朝ドラの音楽にかかっていて、ブログもほとんど書き込めずで、みなんさんに情報を伝えることもおろそかになってしまいましたが、明日から年末恒例大友良英8連続公演はじまりま〜す。こんなぎりぎりの情報伝達でごめんなさい。
この4日間は先月末に出たばかりの本「大友良英他著/シャッター商店街線量計」出版記念もかねたいなと思ってまして、会場で購入してくださった方、あるいは本を持って来てくださった方にはCDほかのプレゼントも用意してます。この本の紹介についてはまた今夜、ここでアップします。


8連続公演の内容ですが、まず初日27日の昼。
その街のこども」他、映画やテレビの音楽でコラボをしてきた歌手阿部芙蓉美さんと。実は阿部さんとはずっとライブでの共演の機会をさぐっていたのですが、こんな機会でも作らなければ、なかなか共演機会はなく、今年はこれが初のライブ共演になります。せっかくなんでJAMJAMラジオみたいな感じで、演奏とトークでやれればと。


初日の夜は9月のアメリカツアーで大反響を呼んだ「Voices and Echoes」の日本初公演です。大袈裟に言えば凱旋公演かな。30年ぶりのアメリカ公演になった鈴木昭男さんは、自作楽器による演奏の世界的なパイオニアと言っても良い存在で、その後の世代に直接的に、あるいは間接的に与えた影響は計り知れません。今楽器屋で普通に売っている楽器が実は彼の手によるものだったりするくらいです。現在は京都丹後で悠々自適の生活をしていて、アメリカ公演どころか、めったに東京で公演することもありません。この機会をどうかお見逃しなく。そして吉増剛造さんは言わずもがな日本を代表する現代詩人であり即興パフォーマーです。わたしにとっては30年近く前に高柳昌行さん、翠川敬基さんとの壮絶な即興演奏を拝見して以来の、最も敬愛する即興パフォーマーでもあります。海外生活が長い吉増さんですがアメリカでの公演ははじめてて、この吉増さん、鈴木昭男さん、そしてわたしを結びつけてアメリカツアーを実現してくれたのはNY在住の音楽家恩田晃さんでした。尊敬するお二人との2週間は、わたしにとっては夢のような時間でもありましたが、なにより、70歳を超えてなを、その演奏が衰えるどころか、それまで以上の素晴らしさ凄さになってることに、本当に打たれてしまいました。これは日本でも公演せねばとの思いで、まずはこれをやりたくて、今回年末公演を企画したといっても言い過ぎではないくらいです。この先、こんな機会はまずないのではと思います。どうかお見逃しなく。



28日以降の公演の紹介については今夜またアップしますので、ぜひぜひ読んでくださ〜〜い。



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大友良英 4デイズ 8連続公演
ーー「大友良英他著/シャッター商店街線量計」出版記念ーー



27日 昼 大友良英(g)+阿部芙蓉美(vo) ライブ & トーク
   夜 「Voices and Echoes」
鈴木昭男(創作音具)ソロ/
吉増剛造(詩)+大友良英(g,tt) DUO


28     昼     大友良英(g)+ユザーン(tabra) ライブ & トーク
   夜 「大友良英 One Day Ensembles」
      大友良英(g)+テニスコーツ(さや vo、植野隆司 g)
+梅田哲也(使用機材未定)+Sachiko M(sinewaves)


29    昼 大友良英ソロ
   夜  「ノイズ電車 in PITINN」
       jojo広重、junko、美川俊治、広瀬淳二、大友良英
   ノイズ電車設営 アサノコウタ他ノイズ電車精鋭メンバー


30  昼 大友良英+ReddTemple
(佐藤裕貴 b. vo、荒川淳 g.vo、室井桂太 dr )
      夜 「大友良英 Invisble Borders」
   大友良英(g) 鈴木広志(sax) 今込治(tb) 木村仁哉(tuba)
   大口俊輔(acc) 芳垣安洋(ds)



会場 新宿PITINN
電話 03-3354-2024
http://www.pit-inn.com/topics_j.html
昼 開場15時、開演15時半 料金 前売2500円 当日3000円
夜 開場19時半 開演20時 料金 前売3000円 当日3500円
この4日間は開場でCDや本のスペシャルバーゲンも行います。また「大友良英他著/シャッター商店街線量計」を会場で購入の方、あるいはお持ちの方には、CDほかのスペシャルプレゼントも用意してます。




新潟 雪の中の展示「Smail/大友良英飴屋法水たち」