楽譜と音楽 -あまちゃんの楽譜について-

あまちゃんの楽譜について多くの問い合わせ来てます。
ありがとうございます。
実はわたしも把握出来ないくらいの譜面の数で、どれがいい楽譜なのか、判断しにくい状況です。中には、なかなか良く出来ているのもあります。逆に有名出版社から出ているのに、まるで公式風をよそおっている不誠実なものもあります。公式をうたって予約をとった大手出版社まであるくらいです。クレームをいれて「公式」の文字を消してもらいましたが、とにかく人より早く出して、出来ることなら公式に見えるようにして、少しでも他より売ろうという姿勢が透けて見えてしまって、そんな楽譜出版業界の姿勢みたいなものに、正直驚いてます。
そういえば、僕も学生の頃手に入れた譜面が適当で、びっくりしたなんてこと一度や二度じゃなかったことも思い出しました。


とはいえ、一般の方にとっては、どの譜面がいいのか判断しにくいと思いますし、高い買い物なのでいくつも買って較べるわけにもいかないと思います。なので楽譜の音がなんか違うなと思ったら、自分の耳でなおしたり、自分流に楽しくアレンジを変えて演奏するのも手かと思います。なにしろオリジナルの僕らだって、譜面は非常にラフなもので、基本それにそって即興的に録音してますから。


どうしても気になる方のために一応言っておくと、現時点でわたしたちが目を通した公式な楽譜はNHK音楽出版から出ている菊池幸夫さん編曲の吹奏楽譜と、江藤直子さん編曲のピアノ譜のみです。ということは、それ以外は、全て、テレビやCDから譜面を独自に起こして発売してるものということになります。



でも、だからといって、その譜面が駄目ということはなく、というか、そもそも僕らが演奏したオリジナルが正しいというわけでもないと思います。長らく西洋音楽の基準のもとで音楽をやって来てる日本では、どうしても作曲=譜面とおもわれてしまいがちですが、でも、そういう音楽は、実は多種多様な音楽の中の、ごく一部にしかすぎません。


私の場合は譜面は演奏のためのガイド、参考程度の意味しかなくて、あとは現場でどうするかが全てです。鳴った音が全てです。要は楽しく演奏していただければってことだと思ってます。