4時間ライブ

otomojamjam2005-01-07

昨年5月にベルリンでやったアンプリファイフェスの
4時間ライブのCDRを聴きながらこれ書いてます。
まだ1時間目くらい。気持ちいいくらいなにも起こらないし
でも、ものすごく沢山のことが起こっている。
キース・ロウ、中村としまる、SachikoMの4人が
会場中央に向き合う形で四角形にセッティング、
まったくのノンストップで4時間の即興演奏。
このときの録音を今聴き返してるのですが、
びっくりするくらい何も覚えていなくて、聴いていて
とっても新鮮。
記憶力の欠如が即興演奏を新鮮に毎回楽しくやる秘訣
だったりして(ウソ・・・・とも言い切れないか(苦笑
実際45分演奏するのと4時間演奏するのでは
演奏の意味がまったく違ってくるように思う。
なにより、この長さだと起承転結というような
構造があまり意味をなさないように思う。ただ音が
そこにある、あるいはない・・・みたいな状態で
いちいち前後の関係で演奏を判断したりすることの
意味がなくなるような気がするのだ。それに人間は
実際4時間も強烈に集中するなんて無理で、
普通のコンサートを短距離走だとすると、長距離走
ちかい独特の集中の仕方に、やるほうも聴くほうも
なるような気がする。だからあとで聴いても、ほとんど
覚えてないのかもしれない。記憶出来る認識にかかわる脳で演奏
するのではなく、認識しないけれど動いている脳の
ほうが活発に活動するような気がするのだ。
言語を認識するように音韻を聴くのではなく
ただ聴こえている状態の中に居る感覚とでも
いったらいいだろうか。
実はこれを今聴いているのは、これをリリースするか
どうか、するとしてどういう形でするのがいいか、
レーベルと4人のアーティストでやりとりをしているからだ。
録音の質はライブとしては素晴らしいと思う。
こういうものは内容を判断しないで出すべき
だと思っているので、4時間そのまま一切の編集をしないので
あればリリースもいいかなと、思っている。

あ、ところで今日もさっきまで永田スタジオで
「ギターソロ」のマスタリング。これもいい出来だと
思う。しかし、きのうの「カナリア」といい
4時間ライブとはまったく違う音楽で、自分でも
こんなに違うものが同居して平気でいることにあきれる。