ジャパンソサイティ2日目

otomojamjam2005-04-04

NY時間の4月2日の「ONKYOラソン」2日目も、最後のセッションを除き非常に充実してました。台風のような嵐でしたが、1日目同様、たくさんの人が来てくれました。チケットは早い段階で完売。昨日は当日券もあまりでませんでしたが、今日は嵐のせいで当日並んだ人もはいれたんじゃないかな。これで、僕等の海外での集客力、わかってくれたでしょ。
2日目、わたしはターンテーブルのフィードバックのみのソロを。自分でも手ごたえある演奏。建物に共振する周波数を選んで、体を震わせました〜。よかったと思いますよ。となりのマンションにはヤンンキーズの松井が住んでいるらしいのですが、松井さ〜ん聴こえました〜?

一楽儀光はNY初の「どらビデオ」を。これの受け方は尋常じゃないくらい。正直ここに出てくる反戦とかのメッセージ性みたいなものは、チープすぎてどうかなとも思うのですが(だいたい、こういうのを見る人達というのは、実際にもっとそれ以上のことを考えているので、そもそもプロテストみたいな意味では機能しない)、その部分ではなく、単純にドラムの音にリンクして勝新が動いたり、忠臣蔵がヘンに解体されたり、彼自身が出てきたり・・・みたいなほうが、たとえば最初期のヒップホップのスクラッチが素朴に生理の部分で面白かったような感じで、面白くて、おまけにそこに、下世話なギャグ感みたいなものもはいるので、ギリギリかな〜と思いつつも、見るといつも大笑いしてしまうんですよね〜。いや、一楽さん、音響やらなにやらいろいろ経由してきてますが、やっと一楽さんらしいものを見つけましたね・・・なんて思ったり。彼のシンバル1枚のみの演奏もものすごく好きなんですが、多分どらビデオのほうが従来の一楽さんらしいなあって思います。一楽さんは「これ、わたしなりの、Ground-Zeroへの回答なんですわ〜」と言ってましたが、あ、このGround-Zeroはわたしが97年までやってたバンドのこと・・・うん、たしかにGround-Zeroにはこういう側面もあって、で、解散と同時にオレが切り捨ててしまった部分を一楽さんは好きだったんだなって、思います。自分自身ではもう2度とGrounz-Zeroの、こういった部分のことはやらないだろう・・・とは思うのですが(理由は上の括弧の中に書いた理由です)、でも他人が独自の解釈でやってるのを見るのは面白いもんです。まだ見たことない人は、ぜひ一度見てみるといいですよ。力技というか、もう、まじ笑えて面白いですから。

エリオットシャープのソロだけは残念ながらわたしのソロの準備をしていて聴けなかったけど、青木さん、オブラート、竹村、Sachiko M duo、どれも面白かった。今回「onkyo」という、もういまさら使うのもどうかな・・・って名前のくくりで、しかも実際の「onkyo」シーンというわけでもない人選で、始まる前は、どうかなとも思ったのですが、名前の是非はともかく、それぞれが同じ方向ではなくて、まったく別のことをやっていて、それが沢山あるってのは、確かに、数年前「音響」という言葉でいろいろな即興音楽がでてきた当時の混沌とした感じに近いかなって思います。ある言葉がある特定の音楽のスタイルを示すというのは、面白くないもん。そんなわけで、カール・ストーンのキュレート、オレはとてもよかったと思います。
会場には、スーザン・ソンタグの追悼でNYに来ていた木幡和枝さんも。うれしくて思わずハグ! 木幡さんにほめられるのって、もうまじ嬉しいです。書いていいのかどうか、今、木幡さん、イギリスで出たばかりのデレク・ベイリー本の翻訳にかかってるみたいですよ。すごい楽しみ。

終わったあとは近くの居酒屋で(NYには居酒屋結構あります)普通に日本のように打ち上げ。もんじゃ焼きや炒飯、さば塩焼きが普通においしかった〜。ジャパンソサエティの美女ばかり数名のいるテーブルで、ほとんど下らない話に終始。なんか今回、始まる前の予想に反して、すごく楽しくやれたのは、スタッフにキュートな方が沢山いたからかもしれません。
教訓「ミュージシャンの機嫌をとるには、美味いメシと美女のスタッフ」


え〜と、ま、それはともかく、多分いろいろな意味でこの先につながる企画だったと思います。通常オレと竹村さんとか、勝手に企画する側のほうで、違うだろうってことで、一緒に組ませること少ないのですが、やってる僕等の側には、そういう壁って、実はあんあまりないんですよね。オレ竹村さんの音楽好きだし。無意識に皆、ボーダーを作ってるんです。すご〜く進んでいるように見える人たちも。企画してる人や、見に来る人も、そして僕等本人も、すぐに無意識のボーダーを作っちゃうんですよね。オレにしても、始まる前は、ジャパンソサエティの人たちとの間にボーダー作っちゃってたし。でもそんなボーダー、なんぼのもんでもないし、どうでもいい。だから半野田くんや一楽さんと、竹村さんや青木さんが一緒にいて全然OKで、僕等は互いの全然違う、でもどこかでつながってる音楽を興味深く聴きあったりしてるんです。こういう混合はどんどんあっていいんじゃないかな。見る人たちが、そのひとそれぞれの好みで、アレは好き、こっちは苦手とか思うくらいの振幅がないと、皆が全部OKなんて気持ち悪いもん。日本国内の公的な機関では、こういう面白いこと、めったに起こらないし・・・なんてこと考えると、ここで起こったことは、欧州なんかのフェスで年中おこってるような出来事に近くて意味あったと思います。塩谷さ〜ん、これからもよろしく。


はしゃぎすぎたのか翌日はダウン。で夜はクリスチャン・マークレーとターキッシュレストランへ。ゆっくり話すのは3〜4年ぶりかな。彼来月来日するんですが、内容ものすごく面白そう。ここには書けませんが、Sachiko MとのDUOもこれまでにない実験的なものになりそうです。


あ、昨日疲れてテレビをつけたらちょうどヤンキーズの開幕試合で、しかもテレビをつけた途端、松井がホームラン。やっぱ聴こえてたのかな、オレの音・・・・(とか書いておきながら、野球のことは、幼少の頃好きだった王貞治と星飛馬・・字あってるかな、なんか違う気が・・・以外なにも知りません。球団名すら言えない。でも松井秀喜、なんとなく応援しちゃうんですよね〜。英語あまり出来ないのにあのでっかい連中の中でやってる姿見てるとね、なんか応援したくなるんですよ)


http://d.hatena.ne.jp/yukoz/20050403
ここに今回のイベントの日本語の評がでています。ひとつの見方ってことで。