六本木P-House 飴屋個展

今日オープン以降はじめて飴屋さんの個展にいってきました。自分の提出した作品も、はじめて落ち着いて鑑賞、というか体験してきました。
で、オープン以来箱にはいったままの飴屋さんですが、現時点では無事です。多分僕がきたことに気づいたみたいで、箱のなかで缶かなにかを叩いてビートをだしてくれました。僕もそれに答えて、しばらくの間箱を叩いたり擦ったり、テクノのようなビートを出したりしながら2人でセッション、飴屋さんもドラムンベースみたいなビートをだしたりして返してくれました。
少しほっとしたのですが、でも、僕が元気付けてしまうことで、もしかして飴屋さんが頑張れてしまうのだとしたら微妙な気持ちです。この1週間、彼は箱を叩くという以外の一切のコミュニケーションを絶っているのですが、いったいどんな心理状態なのかわたしには見当もつきません。光もなく、情報もほとんどなく、時計もPCもなく、最低限の栄養と水分と衣類だけで、180cm四方の密室の中の飴屋さんは、いまなにを思って、いったいどういう状態なのか。オレははげましてしまっていいのかどうか。椹木野衣さんが壁一面に書いた強烈なテクストと、飴屋さんがいる箱、外からかすかに聞こえる蝉の声、こんな根源的でエクスストリームな、でもどこかちょっとお茶目でしゃれっけすらある表現を前に、オレが出来ることって・・・なんてことを考えながら会場をあとにしました。どこかでオレは飴屋さんに、やばかったら出ておいでよ・・・ってメッセージを送っています。
入場料は1200円、安いです。もし時間があったら会場にいってみてください。通常の美術展とはなにかが本質的に異なる作品がそこにはあります。オープニングで演奏してもらった石川高さんのメールにとても印象的な一節があったので、ちょっとだけ引用します「openingのあいだ、人々の喧噪や笑い声が会場に満ちていましたが、飴屋氏がはいっている白い箱は、それらとは無縁の静寂さで・・・」 そうなんです。ものすごい静寂さとともにその白い箱は会場の入り口近くにあります。
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