WIEN MODERN 2007

otomojamjam2007-11-17

え〜、どうも今回わたしが出るのは「Wien Modern」なる老舗の現代音楽フェスのようです。知らなんだわ。これだから若者に馬鹿にされるのだ。ま、老舗フェスだろうが、小さなクラブギグだろうが、信用できる人間からのやりたいと思える、かつ嫌だなと感じる事のない依頼が来て、体をすり減らすだけの対価に見合うフェアなギャラと交通費が出れば、なんであろうとオレは行くけどね。
老舗だけあって、今年の大きな目玉はルチアーノ・ベリオ特集。こんなのが普通にあるんだからうらやましい限り。で、他にも小さな特集みたいなのがいろいろあるらしく、オレが出るのはターンテーブル・フェスというコーナー。う〜ん、芸のない名前だけど、まあそういうものがあるだけましか。どっかの国の現代音楽祭じゃ考えられないもんなあ。そもそもオレが出ること自体考えられないし。たまには学歴のないオレ等にも声かけてくれへんか、どこかの国のキュレーターさ〜ん。



今回、オレに出演依頼をしてきたのは、もうかれこれ10年近い付き合いになるウィーンのターンテーブル奏者ディーター。ステージネームはdieb13、時にはTakeshi Fumimotoという名前を名乗ることもある。彼の作曲作品を3人のターンテーブル奏者(Maria Chavez,eRikm,オレ)と映像のBilly Roiszの4人で演奏するのが主な目的。他にターンテーブルソロもやることになっている。
今日は軽いリハを彼のアパートで。そのあとはみなでウィーン名物ヴィーナシュニッツエル。とんかつの元祖みたいな食べ物。ウィーンで一番美味い店というだけあって、みな巨大なカツをぺろりとたいらげてしまった。でもって、エスプレッソを飲んでいると、後ろから肩をたたくヤツが。振り向くと、なんとヴォイスクラックのノルベルト・モスラングではありませんか。いや〜びっくり。今日は、彼もWien Modernに出演するという。あのさ、いくらでかいフェスに関心がないからって、せめてプログラムくらいチェックしようね、大友くん。友達が出てるときもあるんだからさあ。



ということで、レストランを出て早々フェスの会場へ。「Semper-Depot」なる、なにやら巨大な倉庫跡とも工場跡ともとれるようなところを改造した、雰囲気満天の会場にはターンテーブルを使ったインスタレーションなんかがいくつもあって、それだけでも相当面白い。この感じ、この感じ、久々に欧州に帰ってきたって感じだわ。
今日の一番手はドイツの4人組ターンテーブルチーム「Institut fur Feinmotorik」。レコードを1枚も使わずに、エフェクターすら使わずに、8台のターンテーブルにいろいろなオブジェをつけただけで、テクノのような演奏をする。これがシャープでものすごく面白かった。ターンテーブリズムやらエレクトロニカやらDJカルチャーやらのお決まりのやつはひとつも面白いとは思えないし、ターンテーブルフェスってだけでまったくなんの期待もしてなかったんだけど、これはもう完全に裏切られた。めちゃ面白い。終わったあと彼等に話を聞いたら10年くらいは活動してるらしい。世の中狭いようで、広い。こんな面白いグループがあったんですね。負けてられない。勉強せねば。
次いでノルベルトと2人のターンテーブル奏者(JSX、Joke Lanz)のトリオ。これもなかなかでした。なんかいい演奏を聴くと、闘志がわくというか、自分もはやく演奏したくてうずうずしてくる。そんなわけで、明日が楽しみになってきた。お時間あるかたはぜひいらしてくださ〜い・・・っていったい何人の人がこれ読んで来るってのよ。あ、でももし万が一これ読んで来たって人いたら会場で声かけてちょ。ビールの一杯も奢らせてくださ〜い。

レストランにて、左からBilly, Maria,そしてウィーンアンダーグラウンドシーンのゴッドマザーのシルビア
上の写真はdieb13


WIEN MODERN Turntable Festival
11月18日 20:30〜  Semper-Depot@Vienna(Lehargasse 6, 1060 Wien)
http://www.akbild.ac.at 料金10ユーロ
出演 dieb13(A) Otomo Yoshihide(JP) eRikm(F) Maria Chavez(US) Billy Roisz(A)
http://www.wienmodern.at



Institut fur Feinmotorik