SORA
無事ウィーンから帰国しました。ウィーンでは何人もの古い友人に会って楽しかったなあ。いまだにUCHIAGEって言葉が生きていて、コンサートが終わるとさっそく打ち上げ。ぼくらが輸出した言葉としてはONKYOより、こっちのほうが気が利いてるとおもうけどね。
それにしても、今回は行く先々で、なぜか何人もの若い音楽関係者やらミュージシャンから「高校生のころGROUND-ZEROの大ファンだったんです」みたいなことを言われる。なんだか自分が古い人間になってしまったような、くすぐったいような複雑な気持ち。GROUND-ZEROなんていうと、21世紀の現在ではなんとも大それた名前に聞こえるかもしれないが、20世紀には日本のちっぽけなバンドの名前でしかなかった。あとは同名の原爆をあつかった映画があったり、同名のメタルバンドやファンクバンドもあったり、NYのダウンタウンには同名の小さな靴屋もあった。別にNYでのテロを予想してバンドをやめたわけじゃないけど、もしあの名前で続けていたらと思うと冷や汗が出る。
解散して10年か。
はやぇなあと思う反面、10年とは思えないくらいいろんなこともあった。その間にオレは髪の毛と内臓の一部と何人かの友人を失い、何人かの友人と数Kgの体脂肪を得、ギターを正面から弾くようになり、コンピュータでネットにつないでクソのようなブログを書くようになり、携帯を持ち、3回引越しをし、プロツールスを使うようになり、数十回の欧州ツアーをこなし、ツアーは疲れたとほざくようになり・・・ect ect
で、相変わらす同じような服を着て、下手な英語で旅をし、オレのような顔をした演奏をしてやがる。あきあきだ!!! ・・・ってほざけばかっこいいかもしれないけど、そこまでセンシティブじゃないオレは、そんな暮らしにとりあえずは全然あきてない。おかげで、今日も懲りずに音楽をやり、打ち上げをしてる。
10年前となにがどう変わったかなんて自分でわかるのはこんな程度。わすれてたけど、今日は新しいアルバムの発売日でした。
「大友良英 INVISIBLE SONGS / SORA」
自分名義では初のうたもの、と同時に「blue」につらなるギターポップのアルバムでもあり、この10年がつまっているという意味ではONJOの2組のライブアルバムと自分の中では対になってる。ONJO/LIVEの作業が終わった5月からかなりの時間をさいてつくっていたアルバム。レオーニード・ソイベルマン、山本精一、カヒミカリィ、カワイシノブ、ジム・オルークの歌声と、アルフレッド・ハルト、近藤達郎、ナスノミツル、芳垣安洋の演奏がおもいっきりつまってます。
もうCD屋の店頭にはならんでいると思います。聴いてやってください。
http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=17131
ここのサイトでも購入可能→http://store15nov.net/?pid=5724294