デンハーグ到着
ただいま欧州時間午後2時すぎ。朝6時半にコペンハーゲンを出てお昼にデンハーグ到着。アムスのスキポール空港には雪が残っていて3月としては異例の寒さだったようだけど、デンマークから来ると暖かく感じる。花粉症のほうはほぼ完治。睡眠不足と食べすぎ以外は体調万全。
パリ、アーハス、コペンハーゲンと3コンサートを無事に終え、今日のデンハーグでちょうどツアー中日。
昨日、一昨日のデンマークでの2つのコンサートは、ジャズ系のクラブギグ。PITINNのように休憩をはさんで2セットあるスタイル。どちらの日も最初のセットは、なにも決めずに即興のステージを。ONJOとしては初めての試みだ。これがいい感触だったのだ。2年前だったら同じことをやってもうまくいかなかったのではないかな。今なら充分いける。「おまえらいつから、こんなことが出来るようになったんだ」とはマッツの言葉。ONJO結成直後のPITINNのライブしか知らないマッツには驚きだったのではないか。
セカンドセットのほうは、これまでやってきたドルフィーナンバーやオリジナル、あるいは歌謡曲的なものも。でもこちらも演奏や即興の方法をこれまでとはかなり変更している。もうライブ盤のときとは全然違うものになってきている。わたしですら、テーマを演奏したあとになにがおこるのかまったくわからない。毎回設定をメンバーがそれぞれの方法で変更できて、それが全体の音楽の方向に波及していく、だれも全てをコントロールできないけど、でも確実にみなの方法が全体を動かしてる感じなのかな・・・。曲をやること、即興をやること、どちらも今まで経験してないものになりつつある・・・そう言っていいようにも思う。
とりわけこういうセットでのマッツ・グスタフソン、アクセル・ドナーの存在はやはり大きい。彼らだけではない。メンバーも皆、こういう編成の中での確実に自分の立ち方のようなものを発見していってる。たとえばICPオーケストラやグローブユニティのような、やはり即興とコンポジションの狭間を行き来するオーケストラが常に抱えて来てる問題に、僕らもどうやら僕ら流の方法で立ち向かえるようになってきてる・・・そういうふうに思ってる。しかも欧州のそうした即興のオーケストラとは明らかに異なる方法でそれが行われているようにも思う。ONJQをはじめた時点から、実際にどういう音をつくるのかという目標値を定めて演奏するのではなく、こういう方法でやると、どういう音楽になるのか・・・という興味でやってきたつもりだが、今はそこからさらにすすんで、こういう考え方、という部分が、わたし個人の中だけの設定ではなくなりつつなるようにも思う。かといってわたしの手を離れたわけでもない。それがどういうことなのか、今のオレは言葉に出来ない。出来ないけど、多分ライブ盤を出し、空間的な方法で試行錯誤した昨年以降にこのオーケストラが行くべきなにかにちゃんと向かってるいるような気はしてる。漠然とした言い方だけど、なにか感触はつかんでいるということだ。
さて、今日はどうなるか。まるで、毎日が、はじめていくレストランを前にココロをおどらせているような気持ちだ。
写真上は、コペンハーゲンで移動中のONJO。下はパリの楽屋でのマッツとアクセル、コペンハーゲンジャズハウスでリハ中のONJO