オーストリアの田舎町で親父のことをおもう
ウィーンでの演奏を無事に終え(いいコンサートでした)、オーストリアとチェコの国境近くの村ウーリッヒブルグへ。わずか人口3000人のこの村で20年以上もニューミュージックのフェスが行われているってのがいかにもオーストリアらしい。
オレの出番はフェスの2日目。ターンテーブルの起承転結のないアブストラクトなソロを2つやって、あとはギターソロを3曲で合計1時間弱。これもいい出来だったと思う。
演奏がおわって、食事をして会場にもどってきたら、ちょうどロンドンからステーブ・べレスフォード一行が到着。久しぶりだ。ご存知の方も多いと思うが、わたしはべレスフォードの大ファン。彼と会えるだけでうれしくなる。となりにはオレのあとに演奏したバール・フィリップスも。若い頃にあこがれた人たちが普通に立っていて、普通にやあやあなんて挨拶してる風景は、なんだか不思議。バールはオレのギター演奏をしきりに褒めてくれて、お世辞でも嬉し過ぎてどう答えていいかわからなくなるじゃないか、もう。
恥ずかしすぎて、こまったんで外にでたら携帯に電話。南フランスに住んでいる弟からだ。めずらしい。僕らは普段めったにコンタクトをとらない。ひさしぶり〜なんて軽く出たら、どうもいつもと様子が違う。親父が弟の家で倒れて救急車で運ばれたのだ。心筋梗塞。病院到着がもう少し遅かったら危なかったらしい。幸いフランスでも有名な心臓治療の病院に運ばれて事なきを得たそうだ。これがもし日本だったら病院をたらい回しにされて危なかったかもしれない。とりあえず命に別状がないということで、親父を病院に残してもどってきたところらしい。電話でおふくろとも少し話す。落ち着いていてほっとする。親父はオレと違って体はいたって丈夫。79歳になる今まで一度も大きな病気をしたことがなかった。とはいえ、もう歳も歳だからなあ。とりあえず無事でよかった。こんなときオレはあたふたするだけで、なんの役にもたたねえなあ。生れてこのかた迷惑をかけてるだけで、一度も親孝行の類をしていない。親父、どうか元気で長生きしてください。
今日は車や列車、飛行機をのりついで1日がかりでミュンヘン経由で、パリに到着。明日4日はフランスの若いミュージシャン達とワークショップ。で、翌5日はこのグループでライブを、6日はソロをやります。場所はMontreuilのInstants Chavires。今日到着したらさっそくフィル・ミントンのヴォーカルワークショップのライブをやってました。面白かったなあ。え〜わたしのライブの詳細はhttp://www.instantschavires.comを
で、宿にもどってみたら弟から電話。おやじ来週早々にも退院らしい。大事にならず、よかった。ほっとする。