『最後の戦犯』今度の日曜日夜9時放映

otomojamjam2008-12-03

昨年やったNHKドラマ『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』のスタッフが、同じ時代の、同じく表面にはほとんど出ることのなかった戦争、戦後の実話をドラマ化した『最後の戦犯』が12月7日夜9時から放映になります。非常に重い内容を、しかし安易な悲劇に仕上げることなく、最大限の誠実さで仕上げたNHK柳川強デレクター会心の作、非常に優れたドラマです。役者のみなさんも本当に素晴らしい。以下のサイトで3分間の長尺の予告編見れます。ここに歴史的な事実関係の予備知識コーナーもなるので若いみなさんはぜひチェック。
http://www.nhk.or.jp/nagoya/senpan/


それから、今回音響デザインを担当したNHK名古屋の上温湯さんが音楽録音の現場を書いたブログがここの11月28日の日記で見れます。実際録音はここに書かれたとおりの感じです。この重いドラマにカヒミさんの声を使おうと言い出したのは、実は音響の上音湯さんとデレクターの柳川さん。そのへんの経緯もブログに書いてあります。
http://www.nhk.or.jp/nagoya/senpan/report/index.html


ここにも出てくるとおり、多分わたしの映画やドラマの録音は、普通の方法とはずいぶん違うのかもしれません。なにしろ、他の人の録音現場というのを見たことすらない。今から15年前に中国映画の音楽をやり始めて以来、とにかく現場で映画のスタッフとともにたたき上げてきたやりかたとも言える方法で、かつ、普段即興演奏の現場でやってるノウハウをそのまま持ち込んだ、まったくの自己流といってもいいと思う。最近はサイン波を入れたりもしていて、90年代にやっていたもの以上に、自分自身の方法を大胆に入れています。とはいえ、自分の中では、一番まっとうな、正面からの直球とも言える方法で劇伴を作っているつもり。自分で言うのもなんですが、ドラマの出来のみならず、サントラのほうも素晴らしいものになっていると思います。


残念ながらNHKドラマではミュージシャンの名前が出ませんが・・・この辺は将来ぜひNHKに改善してほしいところです。一緒に音楽を作ってるわけですし、役者さんと同じように、だれが演奏してるかってのは、ものすごく大切なことだと思うんですよねえ。あ、でも視聴者からの意見NHKは結構取り上げてくれるので、そのへんリクエストだしてみるのもいいかもしれません、ってか、気が向いた方、出してみてくださ〜い。そんなこともあってか、嬉しいことに、上温湯さん、気を使っていただいて、サイトでメンバー紹介してくれています。感謝!


ここであらためて、演奏メンバー紹介させてください。わたしの不完全な譜面と、現場でころころ変わるアイディアに、文句も(ほとんど)言わず付き合ってくれる上に、こちらの予想をはるかに上回る音楽をつくってくれる素晴らしいメンバー達です。


音楽 大友良英オーケストラ
大友良英(g、作曲) カヒミ・カリィ(vo)  江藤直子(p、Key, ストリングアレンジ) 梅津和時(as、cl、b-cl) 松島啓之(tp) 青木タイセイ(tb) ギデオン・ジュークス(tuba)田島朗子(vn)下川美帆(vn)萩原 薫(va) 四家卯大(vc)石川高(笙)Sachiko M(sinewaves)藤井珠緒(b-marinba, perc水谷浩章(b) 植村昌弘(ds、perc)エンジニア 伊藤文王  アシスタントエンジニア 佐々木志了 実川素子  音響デザイン上温湯大史



放送は今度の日曜、12月7日、夜9時NHK総合テレビ、お楽しみに。