ついにアンサンブルズ2010　共振　完成しました〜！

otomojamjam2010-11-28

水戸滞在1ヶ月、総勢80名を超えるさまざまな人々とともに制作してきた水戸芸術館の「アンサンブルズ2010　共振」の展示、完成しました。これまでのどのアンサンブルズ展ともまったく異なるものが生まれてます。どんな展示かは、まずは来て、見て聴いてやってください。

今回の最大の特徴は、ほとんどの音は、その場でなんらかの方法で生成された音で構成されている点です。事前に録音された音源と言えるような音は一部を除きほぼ使われていません。300近い発音元から、まるで虫の音のように、あるいは、なにかの生態系のようにさまざまな音が生まれ、それらが非常に複雑な系の中で、共鳴したり共振しあいながら、制作した僕らにも予測のつかない音を奏でます。例によって、展示期間中一度として同じ瞬間はありません。

基本的には非常に静謐な展示です。可能なかぎり静かな環境で聴いてやってください。平日の昼間が狙い目です。通常の美術展と違って、ゆっくり床にすわって味わってくださってかまいません。ひとつの部屋だけでも数十分滞在しないと、全貌が味わえないように作られています。とはいえ全てを聴く事などとても不可能です。自分のペースで自由にいろいろな場所で、風でも感じるように味わっていただければ幸いです。

本日はアンサンブルズ展恒例のオープニングフェスです。
展示会場をはじめとした水戸芸術館のさまざまな場所でイベントは起こります。イベントは演奏であることもあれば、身体表現かもしれませんし、もっと違う未知の何かかもしれません。もちろん、展示されるさまざまな音楽装置も随時駆動し音をたてます。実は主催してるわたしも、いつどこで何が起こるかは正確には把握していません。なにしろかなりの部分は即興的に展開する上に、展示の音もランダムに音をたてます。そんななかで演奏者たちがなにをするのか・・・このフェスのひとつの見所はそこにあると思っています。
なにぶん6時間の長丁場です。集中する時間もあれば、カフェでまったりしたり、まわりを散歩したり、一階のショップでCDや本を物色したり・・・。あとは皆さんの力で音楽を見つける、そんな感じで楽しんでいただければと思います。

重要なお願いです。展示されているさまざまな装置やオブジェにはくれぐれも手をふれないでください。展示されている装置は、ああ見えて実は、どれも緻密な作業の末に作られたもので、非常に繊細な設定がなされている自動演奏装置です。楽器のなりをしていたり、ラジオやターンーンテーブル、CDプレーヤーの姿をしているので、ついつい触ったり音を出したくなると思いますが、手を触れると壊れるものが多数あります。どの装置も、すべて自動で音が出るようにつくられています。それがたとえ一日に1回しか音をださないものでも、それぞれの役目を全うするように作られていて、そのように作曲プログラムされたものですので、そのへんご理解いただければと思います。
それからもうひとつお願い。もしおしゃべりがしたくなったときは、カフェスペースかギャラリーの外でお願いします。さまざまな空間で同時多発的にいろいろなイベントが起こります。なにもないと思われる場所でも何かが起こっていて、それを聴いてる人がいる可能性があります。そんなわけで、ギャラリー内はどうかお静かに。ご協力お願いします。

最後に、展示のほうが本格的にオープンするのは11月30日からです。フェスで起こったことは展示のほんの一部です。ぜひおちついた環境であらためて展示の全貌を鑑賞していただければ幸いです。

「アンサンブルズ2010―共振」
　会　期：2010年11月30日（火）〜2011年1月16日（日）
　主会場：水戸芸術館現代美術ギャラリー
　参加者：大友良英（音楽家）、菊地宏（建築家）、
　　　　　堀尾寛太（展示/パフォーマンス/電子デバイス）、
青山泰知（美術家）、中崎透（美術家）、
矢口克信（美術家）、五嶋英門（美術家）、
　　　　　毛利悠子（美術家）、近藤祥昭（サウンド・エンジニア）
　　　　　高田政義（照明デザイナー）
　　　　　+伊藤隆之（システム制御）　三原総一郎（デヴァイス）　
　　　　　　平林慎（ターンテーブル調整）ほか80名を超える
スタッフ、テクニシャン
http://www.artmetoo.jp/ensembles/index.html