山下洋輔、平井玄、足立正生、そしてスイカ

otomojamjam2006-05-04

今は福島の実家から。


両親が寝たあとの、誰も居ない居間で、平井玄『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』を開く。さわりだけのつもりが、70年代の新宿2丁目の裏路地からはじまる、彼の自伝的な経験と、80年代から今現在までが交差するこの本、面白くて、一気に読んでしまった。音楽の本ではないけれど、オレには、ほとんど音楽書といってもいいくらい、リアルな問題としてせまってくる。足立正生の今現在の映画ともかなりシンクロしてくる。





昨日はその新宿2丁目にあるPITINNで山下洋輔中村達也とトリオ。山下さんのぶち切れぶりがすばらしかった。2年前にも一度このセットでやっているけど、中村達也もオレもあの頃より、確実に進歩している。はじめて、僕らは山下さんとしっかりパンチが打ち合えた感じがした。いいライブだったと思う。


今から30年前、まだPITINNが新宿3丁目にあったころ、高校生だったオレは、何度か当時の山下トリオを見に行っている。そのときのことが鮮やかに思い出された。
アンコールは山下さんの提案でオーネットコールマンのロンリーウーマンを。これを山下さんと演奏するということの意味は、オレの中では小さくない。


おわってみると、飴屋法水さんとコロちゃんが
「いい演奏だったね」
と、ちいさなスイカをプレゼントしてくれた。嬉しい。
いつも書くけどスイカは大好物。



先日の足立正生監督との仕事、山下さんとの演奏、平井玄の著書、これからやる新しいスペース、実家、先日吉田屋本によせて書いたようなONJOの方法、マツ・グスタフソンとの仕事、最近のジム・オルークとの交流、デレク・ベイリーの死、この何年かのすばらしい歌手たちとの出会い、オフサイト以後のあそこに集まっていた人たちみなの充実した活動、アメヤさんとの再会、ロンリー・ウーマン・・・まだまだ沢山ある。なんだか、いい言葉がみつからないけど、こんなそんなが一気にやってきて、うずうずした感じ。痛いようなうずくような感じ。でもって、沢山のスイカを前にしているような気分でもあって・・・あはは、へんな例えだ。




明日は仙台で打ち合わせ。